〜第1章〜 28話
さて、いろいろ一段落したからカレンが持ってきた手紙を読んでいくよ。
と言ってもほぼ全てパーティーとかお茶会の招待状なんだけどね。でも、たまに奨学生からの手紙とか紛れたりしてるんだよね。ぱっと見見分けがつかないから全部開けるしかない。
「あ、これは奨学生からのだわ。」
奨学生というのは、夫人が始めた“ルトルバーク奨学制度”の奨学金を受け取って研究などをしている人達のこと。最近は私が管理して私が支給を決めた奨学生もいるくらい。
「この山は招待状ね。…リリーネル!イオネと一緒にお断りのお手紙を書いて出しておいてちょうだい。」
リリーネルとイオネはカレンとメロが侍女になったから代わりに雑用をすることになった半専属メイド。私の世話はしないから半専属ってわけ。部屋の掃除とかをするよ。
「承知いたしました。」
リリーネルは掃除の手を止め、ペコッとお辞儀をした。
便箋と封筒は後で渡すわね、と言って手紙を確認していくとその中に3通、ルトルバーク奨学制度の選考を希望する手紙があった。
1人目は魔法具の発明が好きで、好きが高じてそれで店を開きたいと言っている青年。庶民だからお金が足りないらしい。魔法具は何かと便利だから考える余地ありね。公爵家にも回してもらえたらすごく助かるかも。
でも、2人目と3人目は奨学制度を履き違えているわ。私たちにも世間的にも利益になることにお金を出す制度なのに、自分の利益しか考えてない。ブティック開きたいから金くれとか、趣味で虫の研究をしていて顕微鏡とか収集道具が高いから買ってくれとか。
奨学金は間違えて悪い人とかお馬鹿さんにあげるとロクなことにならない。注意して選ばないといけないんだよね。
夫人は選考がめんどくさいからって1ヶ月くらい前にいきなり私に任せてきたわけだけど、最初は楽そうだと思ってたけど全然楽じゃなかったわ…。7割却下しなきゃいけないくらいおかしなこと言う人が多すぎる。
前まで手紙はお妃教育があった日にまとめて処理してたけど今はそれがなくなったから忘れてたら大量の手紙が溜まっちゃったよ。
ちょうど夕食の時間までに奨学生希望者への返事の手紙も書き終わって、今日やらないといけないことは全部終わったよ。
「お嬢様、奥様がお部屋でお食事をなさるそうです。お嬢様はどういたしますか?」
あら、夫人も忙しいのかな。
「そうね、じゃあ私も部屋で食べるわ。」
「承知いたしました。イオネ、お嬢様のお食事を持ってきてちょうだい。」
早速メロは侍女の特権を使っている。専属メイドの上司に当たるから雑用を任せることができるっていうね。
その後イオネが持ってきた夕食を食べ、あとは予定がないからいつもより長めにお風呂に入ることにした。
マッサージとかやってもらったよ。




