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〜第1章〜 2話

「お嬢様!おはようございます!」


いつもより早い時間だけど、カレンが私を起こしにきた。

今日はパーティーの日。

だから、いつもより早めに起きて準備しないといけない。

「そういえばお嬢様、今日は王太子殿下のエスコートが無いって聞いたんですけど、大丈夫なんですか…?。」

そう、今日はエスコート役無しでパーティーに行く。婚約者の王太子…アルバートは何故か連絡を寄越さなかった。

恐らくだけど、ヒロインが王太子ルートに入った可能性が高い。

「大丈夫よ。お父様と一緒に、殿下が来たら問い詰めてやるつもり。」

話している間にも、カレンと手伝いに入っているメイドのメロはテキパキと私にドレスを着せていく。ものの30分程で髪の毛も、メイクも支度が終わった。

「お綺麗ですよ!」

カレンがそう言う。確かに、ベルリディアはものすごく美形だ。

いつもはフワッとした裾のドレスを着てたらしくクローゼットにはプリンセスラインやらエンパイアラインやらのドレスが並んでいたけど、今回はマーメイドドレスにしてみたら私の想像通り似合っていた。ベルリディアは背が高いし、顔立ちも可愛い系と言うよりは綺麗系だからすらっとしたドレスの方が似合うんだろうな。

あとは、ショールを羽織って完成!


少し休憩していると、ドアがノックされる。

「お嬢様、馬車の用意が整いましたよ。」

いよいよだ。このパーティーは、ヒロインがどの人を攻略するかが決まるイベントだ。

階段を降りていくと、すでに公爵さんは馬車の前で待っていた。

「おお、綺麗じゃないか、ベル。」

「ありがとう、お父様。」

公爵さんと一緒に馬車に乗り込む。少し遅れて、夫人…ベルリディアのお母さんも馬車に乗り、出発した。


「それにしてもベル、本当に大丈夫なの?」

馬車に乗ってしばらくして、夫人が私に話しかけてきた。心配事は、もちろん王太子のことだ。

ゲームのベルリディアは、この頃はあまり大っぴらには態度に出さないが、王太子のことが大好きだった。だからだろう。

「ええ、大丈夫よ。殿下に挨拶したらすぐに問い詰めるつもりだから。」

「それならよかったわ!女を舐めんじゃないわよ、ってね。思う存分詰めてあげなさいな。婚約者をエスコートしない殿下が悪いんだから、何も言い返せないはずよ。」

私と夫人がそんな話をしていると、公爵さんがやっぱり女性は怖い…と呟いた。すると、すぐさま夫人が、何か言ったかしら、と言った。


夫人と私って結構性格が似てるんだよね。ゲームしてる時にも思ったし、同じゲームをしてる友達にも言われたことがある。


馬車で走ること30分。会場の王宮が見えてきた。

色とりどりの馬車が列を作って門をくぐるのを待っていた。私の乗った馬車も、列に並ぶ。

「これは時間がかかりそうだね。」

公爵さんが言った。


結局、私たちの馬車が王宮に入れたのはその10分後だった。

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