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ε地点

それは包帯に巻かれていたか。ハンバーガーヒルで加工された四肢のない屑肉だったか。


出来そこないの単眼症のような肉塊だったか。それは定かではない。


私の知覚は水晶体が光を通し網膜で処理するようなものでなく五感がベースではあるがただそこにあることを識るのみだ。


今回は煩い囀りは聞こえない。成功とみていいだろう。


私はその部屋を抜けようとした。しかし叶わなかった。


可怪しい。知覚の外に存在しているはずの壁がなぜ存在するのか。


自我を現象にそのままコピーすることによって私は肉体に内包された自我の無限後退を終わらせたはず。


いつの間にか私は別の部屋にいた。私が知覚した部屋と似た部屋だ。私の正面には私がいた。


私は言った。君の行為は社会総体意識を危険に晒している。


社会総体?私は答えた。私は私であり、それをその算術的総和から還元することはできない。全体は唯一の私に還元される。非可算で不可分だ。


エージェントスミスのようにか?痴愚神(モリア)が語る。情報熱力学として完全なノイズを。


痴愚神の由来はわからない。私は言った。お前は蛭子のように私の母の前の夫との鉗子によってかき出された。心の窓にへばりつく亡霊だ。


痴愚神は言った。人造人 米国にて窯見…経謹簡…感らにしてやな若い。」


不純な混合物たる他者を。無の象徴たる他者。

それが一個の実存に共存する。それは可能なのか。


実情を素朴的に了解すればそれは自明とも言える。しかし、それは私の悟性と感性が対象そのものを認識できる時だけだ。他の私の認知体験を合成すれば成り立たない。


それは私の眼の前に行きそして私を飲み込んだ。

私は暗闇に投げ出される。ドサッドサッ

私は指を鳴らし明かりを付けたらしい。私からは暗闇のままだ。


暗闇の方がいい。そこが有界であっても平行的無限性の夢に浸ることができる。


私は言った。これで静かになった。君の聴取を続けよう。

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