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A地点より

そこにいた。ただあった。それはもう人とは呼べないのかもしれないがいた。それは孤独であったし集団でもあった。


ここは少なくとも個室であるらしいがそれにとってはどうでもよかった。


今や外部を認識する人間単位としての自我は喪失していた。


人格が完成したときに死んだのだ。


それは一つの国家であり連続的にも無限で非連続的にもー


私は無数の記号体の中で唯一在外することに成功した(多分)。


目が覚めた時にここに居たのだ。


間接的にも感知することのできた他記号の記述を今は全く知ることができない。


つまりは散々送られたであろう先達は皆転写に失敗したということだろう。


私はそれを再度知覚した。


それはおおよそ人と呼ばれるものの形をしていなかった。


包帯に巻かれた鍵穴型のものがそこにはあった。蛋白質は充填していた。しかし空虚なことに変わりはない。


ロケットが宇宙に脱出する時、電磁性の穴を残して行くように、人格が人民が一人また一人と外へ飛び出し霧散し1人格として意識を維持することができなくなりやがて消える、その都度各々の人格が存在することができる大地としての主人格は穴が空きそれを修繕する度にすり減っていった。

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