表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
繰り返しの元聖女は聖騎士改め暗黒騎士を守りたいのに溺愛される  作者: 氷雨そら
第3章 理は崩れていく
61/63

勇者と聖女の凱旋

これで本編完結します。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。最初の作品は、いろいろあってもやはり愛着があります。完結できてとてもうれしく思います。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 アルフリートが戦う黒龍は、以前より強いように思えた。


「いや、俺が以前よりも弱くなっているのか」


 息が切れてしまうのも、ここ最近は経験したことがない感覚だった。それでも、リディアーヌが繰り返してきた日々を思えば決して負けることはできない。


 もう、泣かせることは二度としない。


 何度も何度も、悍ましいほどの繰り返しのなか、それでも6回目の彼女は笑っていた。


「大好きです。アルフリートさま。きっと勝って私のもとに帰ってきてください」


 その時アルフリートは、なんて答えたのだったか。勇者から教えてもらった、人から聞いた記憶であっても、たぶんアルフリートならそう答えただろうと納得できるものだったその答えは。


「もちろん。リディアーヌ様を一人にはしません」


 その約束は守られることがなかった。黒龍を倒し、魔王のもとにたどり着いたアルフリートは、すでにすべてを忘れかけていたから。


「リディアーヌ様は泣いただろう……今度はもう泣かせない」


 意思の力だけがアルフリートを支えている。その時、聖剣に手を添える二つの影を感じた。


『応援したくなるの。仕方ないよねぇ。もっと素直に好きと言わないと後悔するんだから』

『はぁ、余計なこと考えずちゃんととどめをさせ』


 2人の意思はアルフリートに最後の力を振り絞らせる。


 アルフリートの一閃は、今までで最高のものだった。


「は。これから先、これを越えていくのは難しそうだ」


 黒龍が倒れる大きなにぶい音とともに、アルフリートも意識を手放していった。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


「アルフリートさま!」


 意識が浮上すると同時に、愛しいヒトの声が聞こえた。


「リディアーヌ様……戦況は」

「勝ちました。王都に迫っていた魔獣はすべて撃退しましたよ」

「そう、ですか」


 リディアーヌは涙をとめどなく流している。また、泣かせてしまったとアルフリートは思った。


「やっと、これで終わるんですね」

「そうですね」


 魔獣の脅威が完全に去ったわけではなく、これからも人類は戦い続けなくてはならない。そこに超常的な力はもう存在しない。


 アルフリートはふらつきながらも起き上がる。致命傷を受けることも、己を見失ってしまうこともないのはきっと初めてだった。


「本当に長かった。リディ、今すぐ今までの褒美、全部まとめてほしいです」

「え?」


 リディアーヌを見つめるアルフリートの瞳は、煌めいたかと思えばすでに金色に輝き始めていた。


(なんでそんな瞳になっているんですかぁ)


 半泣きになったリディアーヌを横抱きにすると、アルフリートは妖艶に微笑んだ。それは、リディアーヌが初めて見る類のアルフリートの笑顔だった。


「すべての褒美をまとめてくれる。それが契約でしたね」

「え?えええ?!」


 リディアーヌの叫びが響き渡る中、転移の宝珠はこんな時に使うのだとばかりにアルフリートとリディアーヌは、あの再会を果たした旧魔王城の繊細な装飾をされた重厚な扉の奥へと消えていった。

最後までご覧いただきありがとうございました。1週間くらいお休みしたら、後日談も登校したいと思います。


【☆☆☆☆☆】での評価いただくととてもうれしいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後、二つの影が力を貸してくれたところが心に残りましたT^T [一言] 完結おめでとうございます♪ リディアーヌの可愛らしいところ、アルフリート様の煌めく瞳が好きでした^_^ アルフリー…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ