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繰り返しの元聖女は聖騎士改め暗黒騎士を守りたいのに溺愛される  作者: 氷雨そら
第3章 理は崩れていく
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聖女と騎士団

ご覧いただきありがとうございます。


 ✳︎ ✳︎ ✳︎


 魔獣の脅威から一日が過ぎようとしている。日が暮れていく。王都では、第三王子や聖女イリーネとともに美しく強い黒髪と黒い瞳の聖女が戦っているという話が広がり、徐々にミカミ伯爵家の周囲に人が集まり始めていた。


 リディアーヌはその中に、懐かしい人たちを見つけた。魔獣の脅威と戦っていたかつての人生で、何度も共闘した王国騎士団の騎士たち。はじめのうちは、いつも理外れの容姿をした聖女リディアーヌを少し遠巻きにしていた彼らだが、戦いを共にしているうちにいつも仲間としての関係を作り上げてきた。


 魔獣から人々を守るために自らが前線に立って戦うリディアーヌの姿を、騎士団員たちは呆然とした表情で見つめている。


「くっ。何をしている。我々も戦うぞ」


 一足早く我に返った騎士団長の一言で、騎士団員も戦線に加わった。リディアーヌの身体強化の力もあり、統率の取れた動きから魔獣は次々と倒されていき、すぐに戦線は押し上げられていく。


 戦況が落ち着いたところで、リディアーヌと騎士団員たちは正面から対面している。騎士団員たちから見たリディアーヌの姿は、今は白に金色の装飾がされた軽鎧。気高く美しいまさに聖女そのものだった。


「まさか、こんなにもリディアーヌ殿にお力があるとは。それに、ここにいる誰よりも強いのではないか。聖騎士アルフリート殿が言っていたことに間違いはなかったようだな」


 騎士団長が心底信じられないというような眼をしてリディアーヌを凝視している。


(まあ、今の人生では皆さんと再びほぼ初対面だわ。神殿の儀式とかで少しお会いした方もいるけれど。また、理外れをみるあの目で見られるところから始まるのね)


 そう覚悟していたリディアーヌの周りに集まってきた騎士たちは、しかしリディアーヌを前にして騎士団長を筆頭に最上位の礼をし始めた。


「え?なんでですか?!お立ちになってください。みなさん急にアルフリートさまみたいなことしないでください……」


 騎士団員たちは、リディアーヌに向かって剣を掲げる。


「貴女様が聖女候補として、すべての者に慈愛を与える姿を我々は見ていたのに、なぜ今になるまで理外れ、闇の聖女などと貴女を呼んでいたのか。赦していただきたい。今なら聖騎士アルフリート殿のお気持ちがよくわかる」


 かつての人生でも何度もリディアーヌを助けてくれた騎士団長が声を張り上げた。


「ひええ?あのっ。……困ります」

「いいえ、どうかお許しいただけるのなら、戦い続ける貴女とともに戦う栄誉を我が騎士団に」


(あの、私そういうのまったく慣れてないんで!本当に困ります)


 しかし騎士団員たちは剣を掲げたままリディアーヌの次の言葉を待っている。決して微動だにしない。旧魔王軍の練度にまったく劣らない統率された動きだ。


(こ……これは、まさかの今回もやるしかない流れ?!)


「くう!!聖女の名のもとに、王国をこの危機から救い出します!みなさん、私についてきなさい!」

「われらの剣は王国と聖女リディアーヌの名のもとに!」


「「「王国と聖女リディアーヌの名のもとに!」」」


 締まらないことにまた変な声が出てしまったが、騎士団員たちには幸いにも聞こえなかったようだ。


(なっなんの罰ゲームなんですかこれぇ……)


 リディアーヌは内心半泣きだったが、もはや賽は投げられた。ここから先、聖女として振る舞い続けなければ士気が下がってしまうことは、さすがに明白だった。

最後までご覧いただきありがとうございました。


【☆☆☆☆☆】からの評価やブクマいただけるととてもうれしいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 騎士団の忠誠がリディアーヌに!理外れと言われることがなくなって本当によかったです^_^
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