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【第二部進行中】薬剤師の南 [沖縄×薬局薬剤師]  作者: 黒坂礁午
第10話 早雪 前編
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早雪 前編 4

 スノーマリン薬局では月一回、就業時間後に従業員を集めて二階の小さな会議室でミーティングが行われる。その場で社長が開口一番に、


「まず、先日来た私の娘について皆さんに謝らなければいけません。私の個人的な問題で皆さんの仕事の邪魔して、不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ありませんでした」


 そう言って深く頭を下げた。


「社長の娘さんですから、特に問題ないだろうと思ってこの前は社長室に通してしまったのですが……彼女、すごい権幕でしたね」


 當真さんが言う。當真さんはシロが社長の娘だとすでに知っていたということか。


「今後はあの子がどんな態度で来ても、通さないで結構です。もし来たら私が話をしますので、薬局の外で待たせてください。もし私が不在のときは後日来るように言いつけてやって下さい。皆さんには全く関係のないことですので」


 話を効いた何人かは無言で軽く頷いた。


「では、次の連絡事項に移ります。銘里記念病院が、薬薬連携の強化の一環として、冬ごろから近隣の薬局の薬剤師を集めての月一回程度の会合を始めるという話が来ています。開始日などの詳細はまだわかりませんが、おそらく症例や薬剤の勉強会のような形になると思いますので、呉屋さん、當真さんのどちらか一人は必ず出席するようにして、南さんは大変になると思いますがしばらくの間、勉強のため毎回出席してもらおうかと思っています――」


 と社長は話を続ける。負担は増えるが、今の私は勉強途中の身だ。四の五の行っている場合ではない。こういう機会はきちんと活かしていかないとキャリアアップに繋がらない。


 そうしてミーティングを始めておよそ四十分が経ったところで解散となった。皆が社長室を去ろうとしていると、社長が、


「ああ、南さん、ちょっといい?」


「はい、何でしょうか?」


「そろそろ入社して半年だから、今までここで勤めて、色々と感じたことを聞かせてもらう時間をとってもらっていいかな? まあ、フォローアップの面談というような形だね。申し訳ないけど、明日の五時ごろから時間を取ることはできる?」


「はい、問題ありません」


「そうですか、私は明日外回りがあるので少し時間に遅れるかもしれませんが、戻り次第すぐに始めようと思うので、そのつもりでお願いします。面談をして就業時間が過ぎしまったらその分のば残業代は出ますので、そこは安心してください」


「わかりました」


 社長と一対一の面談――仕事の出来がなっていないとか、勉強が甘いとか、色々と注意されるのだろうかと、わずかに不安がよぎった。

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