表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第二部進行中】薬剤師の南 [沖縄×薬局薬剤師]  作者: 黒坂礁午
第9話 隠れ家
58/72

隠れ家 7

 幸運にも、知念さんは使った防除剤の名前を覚えていた。


「名前は……エンジールプロテクト……とかいうやつだったと思います。ホームセンターに行って買いました」


「エ、ン、ジー、ル……プロテクトですね」


 聞き取った名前に間違いがないかを、メモ用紙を見せながら一字ずつ確認する。

 すぐさまパソコンでその商品を探し、出てきた通販サイトの一つを開いて成分の表示を見る。目に留まったのはその主成分――フェノブカルブ。


「フェノブカルブ! 確かこの成分は……」


 この名前で再度検索すると、物質の詳細な情報が載ったページが出た。


「――やっぱり、カルバメート系!」


 カルバメート系の物質を吸入したならば頭痛や神経症状が出てもおかしくはない。治療法はやはりアトロピンの静注で間違いないようだ。これで糸数さんに提案する内容は整った。

 意を決して病院へ電話をかけようとすると、


「お世話になります! 琉星薬局です!」


 見覚えのない若い女の子が元気のいい挨拶をして薬局に入ってきた。


「あ、はーい」


 新垣さんが返事をして点眼薬を二本カウンターに出し、彼女が書面を書いてお金を置いていった。


(小分け、か……)


 自分達の薬局に在庫がない場合に近隣の薬局から必要な薬を購入する行為――『小分け』と呼ばれる取り引きである。

 彼女が帰ると、


「ウチが覚えてるだけで同じ薬を四回目ですよ、お星様――ああ、『琉星』だからお星様って勝手に呼んじゃってます。いい加減、自分らで薬買えっつーの、あの人ら……ああ、すいません、早く電話をかけちゃって下さい」


 新垣さんが小声で私に愚痴る。

 琉星薬局――確か、摩耶ちゃんのいる薬局だった、よね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ