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呉屋さんが待合室に出て日向君の目線の高さまで膝を折る。
「今日は風邪ひいちゃったの?」
日向君が頷く。
「靴を脱いで体重計に乗ってくれるかい?」
小児の患者の薬は大抵、服用量は体重で決まる。待合室に置いてある体重計は、薬局での薬の準備中にドクターが指定した投与量に疑問が発生した時に、実際の体重を確認するために使用される。
私も体重計の数字をのぞき込むと、デジタルの数字は十六キロちょうどを示した。
「……よし、ありがとうね」
と呉屋さんは日向君を待合室の椅子に座らせる。
調剤室のほうから新垣さんが姿を見せた。
「病院行って探してみましたけど、お母さんらしい人はいなかったです」
さっきの呉屋さんの指示は「病院で母親を見つけてきて」というような内容だったのだろう。
「どうもね新垣さん。続けざまで悪いけど、この子の相手してあげて」
「了解っす」
新垣さんに日向君を任せ、私と呉屋さんは薬局の二階に上がり、書類整理をしていた當真さんと合流した。




