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悠の場合。

何でこんなコトに…。

幾度そう思ったのか知れない。

自分がこうも簡単に流されてしまえば、もはや親友・斗真のことを悪くは言えなくなってしまう。

それだけは避けなければと自ら罠に飛び込んでいけば、やっぱり止めておけば良かったと後悔する。


僕、五十嵐(いがらし) (はるか)は何度目か分からないため息を吐いた。

色素の薄い自慢のふわふわの髪を手櫛でゆるく掻き、苛立たしさをどこかへ逃がそうとする。


ご立腹の元凶・ (さき) 龍一(りゅういち)は、先ほどからヤツのご自慢のキッチンに篭っている。

何で僕がヤツの部屋のリビングにいるのかって?

それは僕が聞きたい。

いや、マジで。


あの無愛想・無関心・完璧主義の北条の実の叔父である崎は、北条以上にマイペースで強引だ。

自分の思ったように行動するし、周りも巻き込む。

世界は自分が中心で回っているとでも本気で思っているのかもしれない。

普段は温厚で紳士ぶってるヤツだけど、本当はとんでもなく鬼畜だ。

口調も違えば態度も違う。

どんだけネコ被ってんだよお前!と思い切り罵ってやりたいくらいだ。

…言ったら最後、どんな被害に遭うか分からないから言わないけど。


親友である斗真はヤツを良い人だと信じて疑わない。

僕は最初から不穏な空気を感じ取って警戒していたが、案の定だった。


正面切って思いっきり嫌ってやったし、キツイ言葉も何度か投げつけた。

それなのに何故かヤツは僕を気に入り、こうして罠に嵌めようしてくる。


何度も抜け出そうとするけれど…悲しいことに、向こうの方が歳の差分だけ上手だった。


「出来たぜ」


ようやく出て来た崎は、トレーに2客のティーカップと小皿を乗せて持ってきた。

悠の座っているソファの目の前にあるサイドテーブルにそれらを丁寧に並べると、当然のように隣に腰を下ろした。


「アンタも飲むの?」


こっち来んなっとばかりに崎から離れて嫌そうに言う。

右側のティーカップの中には爽やかな香りが漂い、とても美味しそうだ。

左の方は甘酸っぱい花の香りがしている。

どちらを口にすればいいのか分からないが、出来ればどちらも試してみたいものだ。

小皿の上には焼きたてのシフォンケーキ。

鮮やかな緑茶色をしていて、ホイップクリームが添えられていた。

崎はそれらを全て悠の方へと向けると、近すぎず遠すぎない絶妙な距離感を取って答える。


「いや、俺は食べない。このケーキに合うのはどちらのカップの方が良いのかを聞かせてくれれば良い。そうだな…薫りとデザインだけで答えてくれればそれでいい。飲むか飲まないかはお前に任せよう」

「…?何かヘンなもんでも入れたの?」

「…さぁな」


崎は意味深に微笑むと、それ以上何も言わなかった。

早くしろとばかりにこちらの様子を窺っている。

確かに冷めてしまうと薫りや風味が落ちてしまうので、悠は仕方なく始めることにした。


***


今日は崎のお店で出す初夏の新作の試作品を見に来ていた。


本当は斗真を連れてきたかったらしいが、偶然それを知った悠が猛烈に反対。

崎が斗真に目を付けていたのは視線からして分かっていたし、ぼんやりしている斗真をこんな鬼畜・猫被り男と二人きりにしていたらどうなるのか目に浮かび、心配でたまらなかったからだ。

おまけに悠は崎のことが大嫌いなのだから尚更である。

なので、上手く言いくるめられて悠がヤツの部屋へと行くハメになったのである。


さもなくば斗真を連れ込む、としっかり脅されて。


しぶしぶ悠は最初に右のカップを手に取り、ゆっくりと薫りを堪能することにした。


柑橘系の爽やかな香りと、その奥に潜む僅かな甘み。

グレープフルーツのようなさっぱりとした感じと、マンゴーのような独特な甘さが垣間見える。

果物系のフレーバーをベースにしたものなのだろう。

それが分かったところで一旦カップを戻し、ケーキをひとくちサイズフォークに刺して口にする。

早摘みの抹茶の風味がほんのり口の中に広がって、スポンジのふわふわした食感と甘さが絶妙だった。

もくもくと咀嚼すると、生地に練りこまれた抹茶の味が滲み出て美味しかった。


先ほどの様子から何か妖しげなものでも入っているのかと思った悠は、恐る恐るティーカップを持ち上げると蜂蜜色の液体を少しだけ口に含む。

薫りの風味をそのままに、ふんわりとした華やかな味わいが舌の上に広がった。


(あれ、思ったよりちょっと…)


想像よりも少し違う。

…どこか違和感を感じるけれど、それほど気にするほどでもない。

逆に、あまり口にしたことのない独特の甘みがクセになりそうな喉越しだった。


今度は左のカップ。

ゆっくりと口元の方へ運び、スッと薫りを探る。

しつこくない花の甘い香り。

アールグレイをベースに少しだけローズヒップの酸味とミントのようなハーブ系が織り込まれている。

一見アンバランスに思える組み合わせだが、全てが交じり合って薫り高い風味を生み出していた。


(あっ…コレ、イイかも)


珍しくヒットの予感がする。

ワインレッドのような深い紅と、初夏を感じさせる鮮やかなグリーン。

見た目もパステルカラーのように優しくて、悠はこの組み合わせを気に入った。


もう一度シフォンケーキをひとくち食べて、それからカップを口にする…と、悠はいきなり行儀悪く吹いた。


「ぶふぉっ…ごほっ…何コレ…っっ」


ふわりと鼻を吹き抜けるアールグレイ特有の穏やかさとハーブの香り。

あとからじんわりと染み渡るローズヒップの酸味。

それらのバランスをすべて台無しにするほどの甘さが喉を焼き尽くしていた。


甘いなんてものじゃない。

激甘を通り越してもはや甘味料そのもの。

ガムシロップを飲んでいるような感覚だった。


悠は口直しをするために右のカップの紅茶を一気に飲んだ。

口の中に残る甘いだけのものを流し込むように飲む干すと、ふいに崎が不穏な笑みを浮かべた。


「だから言ったろう?『飲むか飲まないかはお前に任せよう』ってな」

「だからってこんなモノを人に出すなっっ。せっかく人が真面目にやってるのに台無しにしやがって…っ」

「で、どうだ」

「どうだって…?」

「俺は『薫り』と『デザイン』についてだけ答えろと言ったはずだ」


人を苦しい目に遭わせておいてなんてヤツだ。

早くしろと視線で訴えられると余計に腹が立つ。

なんだってコイツはこんなにも自己中で勝手なヤツなんだ…っ!

悠は素直に答えるつもりなど毛頭なくて、苛立たしさを隠さずに睨みつける。


「どっちでもいーんじゃない」


フンっと投げやりに答えると、その答えを待っていたかのようにニヤリと崎が嘲笑う。

人を見下したような視線を投げて、わざと悠の怒りを煽った。


「お前はバカか?そんな態度を取るんなら、斗真くんを呼ぶことにするだけだ」

「なっ…」


その言葉にカチンとくる。

それではいったい何のためにわざわざ大嫌いなコイツと一緒にいると思っているのだ。

悠は視線だけで射殺してやりたいくらいの殺気を放って崎を見つめる。

しかし敵は、それすらも分かっていたかのように満足そうに笑うだけだった。


「ほら…どっちだ?」


クイっと悠の顎を指に掛けて持ち上げる。

唇が触れそうなくらい近くに顔を寄せられて、悠は腕を払った。


…はずだった。


実際には悠の右腕はふにゃりとソファの上に横たわり、座っている足にも力が入っていない。

悠は自分の身に起こったことが瞬時に理解出来ずに焦った。


「なっ…どうゆうことだよっ!?」


思うように動かない身体。

段々とその白い肌に赤みが差し、体温も上昇していく。

崎はその様子を冷静に観察していると、勝者の笑みを浮かべた。


「さぁ…どうせあとで分かることだ。お楽しみは最後にとっておこうか?」

「ふっ…ざけんなっ」


力の入らない腕を必死に動かして抗おうとするが、アッサリと手首を掴まれて後ろに押し倒される。

ソファの上に身体が沈みこみ、身動きが出来ない。

起き上がろうにもヤツが上に()し掛かってきていてどうにも出来なかった。


「…何のつもりだよ」


男に押し倒されるのは趣味じゃない、と汚いものを見るような瞳でヤツに視線をくれてやる。

なんなんだよ、コイツ!

本当に腹が立つヤツだ。

何考えてるのかまったく分からない。

自分がこうもいい様にあしらわれているということにもムカつく。


悠は自然と眉間に皺を寄せ、不服そうに顔を歪める。

それを楽しそうに崎は眺め、押さえつけた手首をそのままに悠の頬をそっと撫でた。


「なぁ…お前はどっちが好みだ?」

「さ…わんなっ」


つぅ――っと顎の辺りから首筋へと指先を這わせ、(くすぐ)るように弄ぶ。

悠は今更ながらに身の危険を感じ始めていた。

コイツの狙いはなんだ?

斗真が好きなんじゃなかったのか?

ぐるぐると必死で考えを巡らせるが、自分の身に起きた信じたくない反応が気になってそれどころではなくなっていた。


「…ゃっ」


耳の後ろの辺りを撫でられて、ぴくりと身体が震えてしまった。

な、何で…っ!?

ぴりっと走る小さな電流。

そこから沸き起こる感覚がありえなすぎて、頭の中がフリーズしてしまった。


「それとも…答えられないほど、気持ちイイ?」

「…っ!!」


耳元で囁かれる吐息にビクンと反応してしまう。

身体が熱い。

大嫌いな男の低い声が頭の中で木霊する。

じくじくと鈍い衝動が体内を蝕んでいく。


嵌められた……っ!


自分の意思とは関係なく、崎から与えられる僅かな刺激に体温が上昇していくのを感じた。


「な…っにしやがった…っ」


キッと端整な顔を歪めて崎を睨みつけ、全身で拒否をする。

これ以上こいつに触れられたくない。

こんな感覚…知りたくもない。

崎はそんな悠の気持ちなどお構いなしにその白い肌の上に指先を滑らせた。


「…くっ」

「お前…可愛いな」


うっとりと吐息を零し、首筋をぺろりと舐める。

忌々しそうに睨みつけながら声を震わせる悠の肌を勝手気ままに撫で回すと、満足そうに囁いた。


「フレーバーティーはお気に召さなかったのか?」

「…っ!?」

「ハルカの為に特別仕様にして淹れてやったのにな」


口調は残念そうなのに、ククッと笑っている。

その嫌味な顔が憎たらしい。

これで整った顔立ちでなければ、ホントにもうどうしようもないヤツだと思う。

あぁ、もうっ、サイアクだっっ。


「な…に入れたんだよ…っ」

「さぁ…教えて欲しいか?」

「ふざけんな…っ、アンタ、いったい何考えてんだよ!」

「何って…それはもちろん、ハルカのことだ」


にやりと楽しげに答えられても真実味がなさ過ぎる。

どう見たって遊んでいるようにしか考えられない。

崎が何を企んでいるのか、まったく見当の付かないこちらの方が断然不利だった。

ままならない身体を少しでも動かし、ヤツから離れようとする。

その一方でこの状況をどう打破するのか思考をめぐらせた。


どうする…?


これは斗真の目の前で散々嫌ってやったことに対する報復なのか?

こうして自分の言うことを聞かせ、僕自身が嫌がる様子を見て楽しんでいる。

嫌がれば嫌がるほど、それはコイツを喜ばせることになるということか…。

かといって、こんなヤツに愛想笑いのしっぽを振れるほどプライドがないわけではない。

そんなことをするくらいなら、いっそもうどうにでもしろと思う。


フレーバーティー。

最初に飲んだ、爽やかな香りとその奥にひっそりと佇む独特の甘み。

その甘さに、どこか違和感を感じていた。

そしてその後に飲んだアールグレイが甘すぎて、僕は一気にそれを飲み干してしまった。

崎は、それを見て―――…


「…っ!アンタ…最初のカップに何か仕組んだな…っ」


やられた。


始めから、こいつはあの紅茶を飲ませるつもりだったんだ。

右利きの悠は、もちろん右側から手を付けるに決まっている。

フォークやナイフと同じように、端から手をつけ始めるのが一般的であり、悠のように紅茶を(たしな)むものは余計にその仕種が無意識のうちに表れる。

崎はそれを知っていた。

だから、最初に手を付けるであろうカップに何かを入れたんだ。


ドクンと心臓が早鐘を打ち始める。

激しい運動をしたかのように全身が忙しなく高揚し、押さえ付けられている手首や僅かに触れられている箇所が熱く疼き出した。

はぁ…っと堪えるように吐息が零れる。

少しでも気を抜けば、憎らしいほど綺麗な笑みを浮かべているコイツに醜態を晒しそうだった。


「その強気な瞳…服従させてやりたくなる」

「…っ、アンタ、頭オカシイんじゃねぇの…っ」

「そうだな…カップに媚薬を仕込むくらいには可笑(おか)しいのかもしれないな」

「な…っんんっ」


自嘲気味にそう言うと、悠の唇を強引に塞いだ。

抵抗しようにも身体に力が入らない。

その痩身からは思いもよらないほど強く拘束され、呼吸すらも許されないほど執拗に貪られた。


男なんかに…それも、顔も見たくないほど嫌いなコイツにキスされている。


本来なら気持ち悪いことこの上ないのに、身体は心を裏切った。

口腔を我が物顔で蹂躙してくる舌。

ぬるりと艶かしく侵入し、悠のそれを捕らえると吐息ごと奪うようにきつく吸われた。

ジンと痺れる甘い刺激。

それは脳内にまで及び、冷静な判断が出来なくなっていく。

逃げなくちゃいけないのに。

しつこく口付けを繰り返されて、呼吸が上手く出来なかった。


「ん…もう降参か?」


ぺろりと濡れた唇を舐め取って、楽し気に微笑む。

ようやく唇を解放されたのに、身体中が熱く疼いてどうしようもなかった。

頬は上気し、肌をほんのり朱に染めてしまう。

それでも挑むような視線を向けると、崎は嬉しそうに目を細めた。


***********


「で、結局どっちなんだ?」

「…っ!」


何事もなかったように自分に問いかけるコイツの態度に腹が立つ。

結局いいように弄ばれ、コイツが飽きるまで付き合わされてしまった。

悠はソファに寄りかかり、無造作に置かれているクッションを崎にブン投げた。

ぼすっとヤツに当たるけれど、なんてこともないように飄々と受け止められている。

あぁムカつく!!

自分の失態にイライラしながらヤツを睨むけれど、逆に喜ばせてしまったみたいだった。


「まだ足りなかったのか?」

「ふざけんなっ!!!」


バカにするように囁いてくる声に不覚にも感じてしまった悠は、誤魔化すようにもうひとつクッションを投げつけた。

それも軽々と受け止めて、崎はニヤニヤと満足そうに微笑む。


「ま、どうせお前はこっちのアールグレイベースの紅茶の方が好みだったんだろう?」

「っ!!!」


図星を指され、悠は頬を紅潮させてしまう。

崎は射殺さんばかりの視線を易々(やすやす)と受け止めると、何か企むような笑みを浮かべた。

淹れ直した紅茶を目の前でカップに注ぎ、悠に差し出す。


「お前のためにブレンドしたんだから当然だよな。それ…気に入ったんだろう?」

「…ホンットにアンタってムカつく!!!」


もうどうにも勝てそうにないと踏んだ悠は、大人しく差し出されたカップを口に付けた。

けれど自分の意思を主張するようにヤツに背を向けて、香りを堪能する。

はぁ…やっぱりイイ感じだよね、コレ…。

考案したのがコイツだと思うと腹が立って仕方がないが、美味しいものに罪はない。

ほっと落ち着くふんわりと温かい湯気に癒されながら、本末転倒なことを考えていた。

元はといえば、最初からこんなことする必要なんてなかったのに。

でもまぁ、気に入ったものが増えることは良い事だ。

そう前向きに考えることにして、今はヤツの存在を無視した。


「ハルカ…俺にも寄こせ」


後ろから抱きすくめられて耳元で甘く囁かれる。

ぞくりとする声が聞こえて、悠はぴくんと肩を震わせてしまった。


「近寄んなっ…アンタの分も淹れればいいだけだろっ」


崎が相手だとついつい荒くなる自分の言葉に動揺が隠せない。

コイツといると冷静でいられなくなる。

それはある意味、崎を意識しているということでもあった。

大っっ嫌いだけど。


「龍一。」

「…は?」

「いい加減、名前で呼べ」

「何で僕が…っ、ヤダね」


ふんっと顔を逸らすけれど、ぎゅっと抱きしめる腕に力を込められて慌てた。

零れそうになるカップを両手で支えて、その場から逃げようとするが妨害されてしまった。


「呼べるようにまでこうしていてやろうか…?」


ちゅっと首筋に唇を落とし甘く誘惑してくる。

悠は再度身の危険を感じて首を(すく)めるが、抗おうにも両手は塞がっているし身体は拘束されているしでどうしようもなかった。


「んっ…離せよっ」

「ほら…早く言え」


傲慢不遜な言い方にカチンとくる。

どうしてコイツはいっつもこういう言い方しか出来ないのだろうか。


「アンタがこの僕にお願いしたら言ってやってもいいよ」


どうせ言えないだろう?と高を括って言い放つと、少し驚いたような顔をしたが、すぐにまたいつもの憎たらしい笑みを浮かべる。

崎は片腕を腰に回し、もう片方の腕で悠の顎を捕らえると、覗き込むように顔を近づけて甘く囁いた。


「お前の全てを俺にくれ…ハルカ」


からかうような視線は何処にもなく、熱っぽく見つめられる。

じっと見つめ返すと、何の躊躇(ためら)いもなく欲しがってくる瞳とぶつかった。

なんて顔してやがんだよ、コイツ…っ。

一瞬でも崎に対して動揺してしまった自分に驚く。

どくんと胸の鼓動が高鳴ってしまうのを感じて、尚更自分の気持ちに戸惑った。


「…ぅいち」


か細い声で小さく囁く。

崎はその声が何を指しているのかわかっているくせに、再度強要した。


「ん…?何だ。ちゃんと言え」

「…っ!!知らないよっ、バーカっ」


もう二度と言ってやらない、と宣言する悠の顔が薔薇色に染まっているのを見て、崎は満足そうに微笑んだ。


「好きだよ、ハルカ」

「僕はアンタなんか大っっ嫌いだっ!!!!」


つんと答えるけれど、ヤツは嬉しそうに笑ったままだ。


ほんっとにコイツ、ムカつく!!



余裕の笑みを浮かべる崎に、いつかぎゃふんと言わせてやろうと心に誓ったのだった。


まずは本編・chronosに投票してくださった読者様、本当にありがとうございますvv

たくさんの方からの応援のコメントや感想をいただき、貴重な1票をいただけてとても嬉しいです!!!

本当に本当にありがとうございます。

このような場所で申し訳ないのですが、すべての読者様に感謝の気持ちを。

とても励みになりました♪(^^)


最終回にちょこっと出ていた悠と崎の関係。

凄く書きたかった話だったので、思ったよりもボリュームがスゴイことになってしまいました。

分ければよかったかなとちょっと後悔していますが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。


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