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その鑑定士、聖剣を握る。  作者: ラハズ みゝ
第4章 Guardian of aqua
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AS-7.激化戦線

 その大爆発は、周囲の木々をも吹き飛ばす。上空のカルレインは冬里の行方を探した。間違いなく半鬼人は爆発をものともしていないだろう。


「底が知れん····。こんな化け物どもが、動き出しているというのか」


 カルレインは呟いた。爆発が、徐々に収まっていく。



 冬里は、崩れた土砂に埋もれていた。爆心地からかなり離れたところまで飛ばされていた。土砂を押し退け、冬里は起き上がる。


「これが半鬼人····。今の俺では、厳しいか」


 ―半鬼人は、空を見上げる。そこにはカルレインが居る。ニヤリと笑むと、半鬼人はしゃがみ、勢いよく飛び上がった。カルレインは半鬼人を睨む。半鬼人はその鋭い爪を備えた手を大きく振った。咄嗟に竜が上昇し、一撃をかわす。


聖水ノ咆哮(ウァタラハウリング)!」


 カルレインのかけ声で、竜は口を開き、大きく息を吸う。同時に、竜の付近に、水の玉がいくつも浮かび上がり、竜の口にて一つの大きい弾となった。半鬼人の目の前で、竜は激しく叫んだ。水の弾が波動となり、半鬼人を襲う。


 半鬼人は手で受け止めようとしたが、空中に居るということも相まって、衝撃に耐えられず強く地面に叩きつけられた。地面は割れ、半鬼人の肉体が食い込む。


 この隙を逃してはならない。カルレインは竜を急降下させ、さらに追い打ちを試みる。


 「鋭水ノ牙(アクアファング)!!」


 竜が半鬼人に噛みつく。ただのそれではない。水の化身が伴った、強力なものである。カルレインの視界に、血しぶきが確認される。


 「がぁぁぁぁっ――!!?」


 半鬼人が苦痛を叫ぶ。カルレインは再び、竜を上昇させた。半鬼人を注視する。右腕が、半鬼人の右腕がもげていた。カルレインは歓喜の表情を露にした。


 それは半鬼人を本気にさせてしまう。


 地面に埋もれている半鬼人の肉体が、膨張していく。それにより地面の亀裂はさらに広がり、半鬼人を解放した。ゆっくりと、しかし力強く立ち上がる半鬼人。


 「ははっ、まさかこんなに生意気とは知らなかったよ。――――――――殺す」


 半鬼人がカルレインと目を合わせた、かと思えば、既にカルレインの背後まで飛び上がっていた。


 冬里は飛行(フライ)でカルレインの元へ急ぐ。


 まずい、半鬼人が本気を出した。そう感じた冬里は、属性守護者であるカルレインの実力を以てしても、勝てないだろうと推測する。


 カルレインは、すぐに竜へ指示を出そうとするが、否、半鬼人がそれを許さず、竜を殴った。あまりの衝撃。竜は飛ばされる。とてつもない速さだ。カルレインは、落下してしまった。


 地上まで距離がある。その身が地面に着くとき、自分は確実に死ぬ。カルレインは自覚した――。


 ――刹那、カルレインは自由落下しているはずの身体に重力の変化を感じた。地面と平行に動いている。


 冬里がカルレインを抱き、空を舞っていた。カルレインは唖然としていた。この一瞬で、命を救われたのか、と。冬里は言う。


 「これで貸し借りなしだ」


 カルレインは「フッ」と鼻で笑った。


 「この状況でそんなことを気にしていたのか」


 冬里は高度を落とし、カルレインを降ろした。半鬼人が凄まじい地響きとともに着地する。カルレインは竜の方を向く。とても、戦えそうな状態ではない。


 「無理をさせてすまなかった」


 そう言うと、カルレインは竜へと手を伸ばす。離れて倒れている竜は、魔方陣から姿を消した。


 荒い息遣いで半鬼人は冬里らを睨みつける。


 「あいつは本気だ。竜を戻して良かったのか?」


 冬里が訊く。カルレインは冬里の一歩前へ出て言う。


 「属性守護者が、召喚獣に頼りきりで務まるはずがないだろう」


 愚問だったか、と言わんばかりに冬里は笑んだ。そして、二人は半鬼人を注視する。


 「ぐあぁぁぁぁぁぁっ····!!」


 半鬼人が動く。冬里たちも、攻撃を仕掛けようとする。


 「それ以上は御免蒙りたい――」


 何者かが言った。それからまもなく、轟音が響いた。周囲の岩石や、木々に刻んだ後が残っている。まだ、冬里たちや半鬼人は気づいていない。


 その轟音は、剣擊によるものだった。冬里らと半鬼人の間に、剣を握った鬼が立っている。冬里は気づき、動きを止めた。なぜなら、鬼の半径十メートル程に、剣の軌道が張り巡っているからだ。


 あの剣擊は、ウィリウムのそれよりも上だろうか。冬里はふと考える。とても、人間業とは言えない。


 「半鬼人が····増えた!?」


 カルレインが驚愕する。対向に居る半鬼人も、攻撃を止めたようだった。


 「いやはや、やはり人間は知的だ。我らも見習いたいものである」


 その半鬼人は、もう一人のように楽観的ではなく、達観していた。

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