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その鑑定士、聖剣を握る。  作者: ラハズ みゝ
第4章 Guardian of aqua
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AS-5.属性守護者

第4章開幕!!平成最後の投稿です(笑)。ここからは、春たちの話から少し離れ、4話ほど冬里の話を展開します。――――半鬼人が一杯出ます(笑)。

 悠々と翼を振り、そこに居る竜は、その姿とは裏腹に、物静かに小鬼らを見つめていた。


 「天神ノ憤怒(ゴッドストーム)―」


 誰かが言った。その声は上空からで、冬里が上を見上げると、一人の女性が居た。その特徴を見る前に、竜が動き出した。


 「ゴゴォォォッ········!!!!」


 竜が大きく羽ばたくと、天候がガラッと変化し、暗雲が広がった。まもなく、暗雲の影は、暴風雨に襲われた。風の威力が尋常ではなく、雨もただのそれではなかった。冬里の魔法とは比にならない規模で、小鬼が殲滅されていった。


 五感の全てで冬里はその迫力を感じ、呆然とした。数千もの小鬼の群れを、冬里が減らすことすら苦戦したそれらを、一撃の魔法で消し去ったのだから。


 「早くこちらへ来い!」


 女性が冬里に呼びかけた。気づけば、竜は女性を背に乗せ、冬里のすぐ後ろまで来ていた。継続している暴風雨を尻目に、冬里は飛行フライで飛んだ。飛行フライを使っているのが意外だったのか、女性は少し目を丸くすると、すぐに我に返り、どこかへ飛んでいく。冬里はそれに、ついていった。





 小鬼の居ない森の安全なところまで飛ぶと、竜は着地した。冬里もそこに降り立つ。女性は竜から飛び降りると、竜の首元辺りを撫でた。すると竜は女性に顔を擦る。とても女性になついているようだった。そのまま女性は冬里に尋ねた。


 「お前はフォエンド王国の兵士か?」


 冬里はようやく、その女性をまともに見た。凛々しいその人の歳はまだ二十代前半のようだが、貫禄があり、兵士顔負けの鎧を装備している。先程の小鬼を裁く様を見ているからか、あまりの外見とのギャップに冬里は見とれていた。


 「私の顔に何かついているのか?」


 不自然に思った女性はそう言うと、自分の頬に手を当ててみる。冬里は我に返った。


 「いや、すまない。ぼっとしていた。ああ、俺は日輪兵団の魔法士キャスターだ」


 女性は合点がいったように「なるほど」と呟いた。そうして続ける。


 「私は召喚士サモナーのカルレイン·エルディーラだ。なんと呼んでもらって構わない。そしてこっちが、召喚竜の聖水ノ守護竜ウァタラディフェンドラゴン


 冬里は、竜を召喚する召喚士サモナーが存在したことに感心した。竜といえば、基本的にどのファンタジー作品やゲームでも最強クラスの実力を誇る生物だ。それを使役する者もまた、計り知れない技術を所有していよう。そこで、改めて冬里はカルレインに尋ねた。


 「カルレインは一体、何者なんだ?」


 「―私は属性守護者の一角、水属性の守護者だ」


 初めて聞く言葉だった。"属性守護者"と聞けば、属性ごとに何かを守る者が存在することくらいは察することができる。しかし何かまでは見当もつかない。冬里は、何を守るのかではなく、それが自分たち転移者とどう関わりがあるのかを考えていた。


 冬里はこの世界に来て、いくつかの不純な点に気づいている。自分たちは、あらかじめこの世界がゲームの疑似世界だと認識しており、ゲームの概要も理解していた。しかし、『Task Of Demons』などというゲームは、元居た世界には存在していなかった。仮にあったとしても、冬里自身は知らなかったのだ。


 よって、冬里はこれらの一連の出来事が、全て何者かによって意図的に仕組まれているものだと推察していた。故に、この属性守護者も、自分たちと何ら関わりがあるのだと思い込んでいる。




 顎に手を当てて何かを考え込む冬里を前に、カルレインは少し呆れたように、属性守護者の説明を始めた。


 「属性守護者を聞いたことがないようだな····。属性守護者とはラプラスの聖者によって、火属性、水属性、風属性、地属性の四人で編成された、鬼と人の対立を緩和させる者たちのことだ。起源は数十年前とも、数百年前とも言われているが、代々継承されている神聖なものだ」


 不意に、冬里の脳裏に春の姿が過った。自ずと"ラプラスの聖者"と関連づけているのだ。何故かは分からないが、冬里は確信していた。


 「その、ラプラスの聖者ってのは?」


 冬里は問う。春のことが分かれば、元の世界に戻る足取りが掴めると考えていた。


 「······。お前は一体、どこの田舎出身なんだ····?」


 カルレインはため息をついた。どうやら、ラプラスの聖者や属性守護者というのは、誰もが知るほどの重要事項らしかった。尚更、冬里は興味を示す。


 「あまり良い教育は受けていない。教えてくれ」


 「成人していよう男だというのに、そのような円らな瞳をされては断れまい····」


 カルレインは苦笑を見せると、竜を撫でてから、口を開いた。


 「ラプラスは――」


 「人間発見~!あれ、ドラゴンも居るじゃーん。ラッキー♪」


 カルレインの言葉は遮られた。同時に、カルレインと冬里はとてつもない殺気を感じとる。重く、鋭く差し掛かる殺気の元凶は、冬里らの後方に居た。二人はすぐにそちらを向く。カルレインは言った。


 「半鬼人······!!」

平成、ご苦労様でした。時代が大きく変わります。今を大切にしたいです。令和でもよろしくです!

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