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消極的?現実的?
怜に誘われ一週間。
答えを出せないまま、ぐるぐると考え込んでいた。
結局、バンドしないか、という怜の誘いに返事できないまま、一週間が経とうとしていた。
ジャミロクワイのvirtual insanityを何度も繰り返して聞いて、自分たちでも演奏してみたい、歌いたい、という気持ちは募っていたけれど。
僕の性格の大きな特徴として、消極的、というのがある。
何においても消極的、後ろ向き。
今回だってそうだ。でも、消極的なんじゃない、現実的、客観的に考えているだけだ。
友達もいない、人前に出ることも苦手な僕と。孤高の変人である怜。
この二人と一緒にだれがバンドなんてやりたがるだろう。
そうやって、ずっと考え込んでいた。
怜は、珍しくその回りすぎる口を閉じて、静かに僕の返事を待っているようだ。
一緒に帰ろう、という視線を無視して、そそくさと家に帰り、また考える。
そんな日々が一週間だ。
もう、答えを出さなくては。
さぁ、どんな答えを出すんでしょうね…
半年ぶりとか、もう切腹ものですね、すみませんでした。