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ルビーアイ・リテイク  作者: アゲハ
14/18

32話 ディアブロ

龍斗……



龍斗!!!








プツン……








そう、音が鳴ったのを覚えている



私の脳内で



何かがキレた



「…… てんめぇーーーーーー!!!!!!!!」



許さない



その感情だけが私を動かす



隣で加藤が



「…… ついに…… 変わった…… (しん)の……」



そう言った様な気がする



ソンナ事ハ、ドウデモイイ……



龍斗を……



私の龍斗を……



コイツ……



マジで殺す……



苛立ちと共に何かが溢れる



胸の奥、体の奥から…… 力が溢れる



底が見えない



今までのソレを遙かに上回った力が……



体の奥底から…… 来る……






手を奴に向けた


ありったけの力を込めた


これ以上無い位に思いっ切り……


殺意を持って放つ!


奴が片手で受け止めた


顔を歪ませ、もう片方の手を私の力に添える


「グッ……」


ズズ……


奴の体が背後にズレる


そして両手を広げたと思った瞬間、私の力を抱き潰した


その時だ


「ゲグホッッッ!!」


奴が(うめ)


そして体を()の字に曲げた


その体、その腹……


ソコには拳が()()()()


私の右拳


奴が私の飛ばした力を抱き潰した瞬間に跳んでいた


奴の目の前に跳んでいた


大きく振りかぶり、私のルビーを…… 力を凝縮させた破壊の一撃


ソレを奴の腹部に、ぶち込んでいた




彼が吹き飛び、今度は壁に()()()()



そして、ガゴッ!!


そんな激しい音を立て、膝から崩れ落ちた








奴の隣には龍斗が横たわる


ルビーの力


私は龍斗の体を宙に浮かせて引き寄せた


ぐったりとした龍斗を背後に降ろす


私は即座に腰を下ろして揺さぶった


「龍斗!? 龍斗ぉぉー!!!」



「ゲホッ……」



龍斗が咳き込んだ!?


まだ生きている!!


大丈夫……


意識がある!


そう安心した私は、立ち上がり、奴に向き直った


加藤が驚きの表情で私を見て、口元が緩む


「…… この力を待っていた!!!  これで五分五分! ココからが本番だぜ!!!」








そう


勝てると思ったのは一瞬だけ


彼は口元から血を流してはいるもののユラリと立ち上がり……


ホコリを払うかの(ごと)く、パンパンと太腿を叩いた




ダメージがまるで感じられない……


冗談(じょうだん)でしょ……!?


本気で……


殺す気で殴ったのに!!


奴の力……


そして奴を(おお)う筋肉量……


これ程厄介(やっかい)だったとは!!




「……中々だ…… その体型でソコまでの力を出すとはな…… ククク…… 胡桃…… 私の元に戻らないか……?」


巫山戯(ふざけ)んな…… 龍斗をこんなにしたお前を信用出来るわけが無い!!」


「お前は完成体だ…… 些細なことは気にするな」


「私を舐めんな!!!」



もう戻れない!


ヤルしかない!!



「そうか…… 残念だよ、胡桃……」



彼の顔付きが変わる





奴が叫んだ


「確かに今は五分五分!! だがなぁ、お前達はココで終わる!!」



そう言うと、その目は私達を睨んだまま、階下に吠えた



咲子(さきこ)!!!! 来い!! 手伝え!!」



ママの名だ!



加勢を呼ぶというのか!?



状況が悪くなるのは目に見えている



マズイ……



そう思っていたのだが



隣で加藤は不適な笑みを浮かべていた



「咲子!! 何してる!! 早くしろ!!! 鈍間(のろま)が!!!」



また奴が吠える



「ったく! 調整が足りんか!!! 本当にグズな女だ!!! 早くしろ!!!」



調整とは何だ!?



まさかママまで操っているの!?



いや、本当の母親では無いだろう…… でも



「何て最低な男!!! 自分の妻まで操つるの!!!??」


その言葉を口にせずには居られない!!



「あんたは龍斗に教授(プロフェッサー)何て呼ばれてたみたいだけど、そんなキレイなもんじゃ無い!! あんたはディアブロよ!!」



彼は驚いた表情を見せ、そして笑った



「ディアブロ…… 確かスペイン語で… 悪魔… だったかな? 嬉しいねぇ…… あながち間違いでもないだろぅな…… ククク……  にしても遅すぎる!! 咲子!!!!」



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