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ルビーアイ・リテイク  作者: アゲハ
12/18

30話 龍斗、再開

ガチャリ……



そんな音で私は玄関の戸をを開けた



いつもならカチャカチャと、食器の鳴る音が聞こえる



だが今はもう午前4時



そんな音が聞こえるハズも無い



1階はリビング



すぐ目の前には階段



2階は部屋が並び



3階は父の書斎がある



電気が点いていたのは1階と3階



彼は……



パパは……



3階だろう……



私達は念の為、靴を脱がずに家に入った



直ぐソコに見える階段



ソレに歩みを進める



私達の目標は3階だ……





タンタン……





こんなにも自分の家で緊張するとは……





タンタン……





想像もしていない事だ








いや、まて……



足音が2人分!?



私と龍斗だ



私は後ろを振り返った



ソコには眼を瞑り、少し、怖い顔をした加藤が立っていた



「加藤? どうしたの?」



私は聞く



「いーやー…… 先に行っててくれぇー…… すぐ行くぅー……」



私は首を傾げ、また階段を登った



3階の手前まで登った時だった



ガシャーーーン!!



1階から食器の割れる音が鳴る!?



なに!?



階下を振り向き降りる



その時、



上段から声がした




「待たせたぁなぁー……」



加藤だ



また跳んで来たのか?



「何をしてたの!? 今の音は!?」



加藤は困った表情だ



「んーーー…… まぁ今後の為ぇー…… かなぁー……」



そう言い



上段、3階を向いた



立ち止まる加藤



3階先を、睨んでいる



そんな表情で立ち尽くす加藤を脇目に、私は追い越し、3階に向かった



タンタン……



タンタン…… タン……



ここが、3階



そして正面にはパパの書斎のドア



私はその、ドアノブに触れ……



ソレを捻った








ガチャリと音がする



ドアの音



そして



ギイィィィィィィ……



戸が開く








私が一歩








先に彼の部屋に








足を入れた








椅子の背もたれを、こちらに向け、彼は居た



「パパ……?」



「胡桃か? ご苦労様」



そう言い、椅子ごと私に向ける




ボディビルダーといわんばかりの体はとても大柄で、筋肉隆々とした男がそこに居た





コレが、パパだ





いつもの、パパ





いや……





私はもう、知っている





彼はパパでは無い





パパのフリをした、偽物





彼は言った



「大変だったろう?」



そして



「んーーん……」



私は首を振る



「…… そうか、強くなったなぁ」



そう言い、おいで、おいでと手を招く



足が(すく)



頭を撫でて貰えるはずだ



嬉しいハズだ



嬉しかったハズだ



なのに……




なのに……



足が



動かない……



動こうとし無いのだ



解っている



コレは








敵だ








撫でて貰う代わりに、私は口を開いた



「あのね…… パパ……」



「ん? どうした?」



「紹介したい人が居るの……」



「…… こんな時間にか?」



「…… うん……」



「結婚相手とか言うんじゃ無いだろうねぇ?」



彼は笑いながら、冗談交じりにそう言った



「いや、そういうんじゃなくて……」



目を逸らし、そう言った時、加藤が部屋に入って来た



「…… どーもー……」



少し、緊張しているようにも見える



これ程に冷静な男でも、緊張するのか……



そう感じる位、その緊張は伝わってきた



その姿を見た彼は



「…… 君は?」



探っているような言葉



そして表情で、その言葉を加藤に向ける



「…… 加藤ぅ…… とぉー 申しますぅー……」



加藤を、上から下まで舐めるように見た彼



「…… そうか、娘と仲良くしてやってくれ……」



そう言った



加藤は一瞬、背後にに目を向ける



そして



「仲良くしてやっているのはぁー…… 俺じゃ無いんですよぉー……」



パパ首を傾げた



「…… どうゆう事かな?」



加藤はアゴをドアの外にクイっとあげる



呼んだのだろう



ドアの先の暗闇から



ゆっくりと入室する人影



部屋の灯りを受け……







胸元



そして、顔



パパに姿をさらした男性が言った



「…… お久しぶりです…… プロフェッサー……」



龍斗だった



パパは驚いた顔で仰け反り立ち上がった



その際に飛ばされた椅子が、激しい音を立てて倒れた



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