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１９話・改 閉じ込めていた心
これは……
コレは何！？
修が
消えた
あり得ない……
いや、あり得なくは無い
知って居る事、知って居た事が現実に起こっただけ
そう……
不可解を、可能と理解出来てしまう……
「泉…… 僕と共に来い…… 好きなんだ…… ホントに……」
「でも、貴方…… 龍斗が修を……」
体の震えが止まらない
立っているのがやっとだ
それでも私は精一杯の力を出して
一歩
後退った
「逃げないで！ ちゃんと話そう！ ちゃんと色々話すから……」
彼の手が、行かないで……
そんな気持ちで私に向けられた
ソノ顔はとても
切なそうに見える……
私は、もう一歩背後に出した足を、止めた
「龍斗…… こんな事をした貴方を許さんと思う…… でも…… 話だけやで………」
聞く耳なんて持たなければいいのに
その顔を
淋しげな顔を見たら
私はそう、言ってしまっていた……
心を整える
簡単な事じゃ無い
有り得ない事が起きた
修が、消えた
ソレは
龍斗がやったハズだ……
でも……
そんな顔
しないでよ……
私は彼の眼を見て言った
「…… 話すって…… 何を……？」
「この、コノ件とは別に…… 昨日の言葉の答えを聞かせて欲しいんだ…… 過去形でもいい…… 好きだったか…… 嫌いだったか…… それだけでも……」
「過去形でいいなら……」
私は一瞬戸惑う
こんな事があったばかりなのに
目の前で……
修が消えたのに……
私は
「好きやったよ………」
そう、言ってしまっていた
不意に大きな何かに覆い被される
いや、抱きしめられた
この温もり……
龍斗……
私は自分の心に
嘘を付けなくて
涙が出た
