表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者の弟子の転生者  作者: 桑野堅夫
8/23

冒険者登録

更新が遅くなってしまいすみません。

「着いたぞ。ここが冒険者の街ナイラントだ。」


「うわぁーー。」


 アレンの目に映ったのは、今まで見たことのないほど、たくさんの人と、賑わいを見せる様々な店。


(すごい、さすがは冒険者の街。人だけじゃない、市場も栄えてる。)


「すごいですね。鍛冶屋とか、屋台とか、いろんな店が多くて。」


「そうだな、まあ、大体の冒険者はまずここで旅の用具を一通り揃えるからな。」


 しばらくすると、噴水のある広場のようなところに出た。


「よし、飯にするか。」


「え、先に冒険者組合に行かなくて良いんですか?」


「ん?ああ。よく言うだろ?腹が減っては戦はできぬってな。何にする?なんでも良いぞ。」


「いいんですか!じゃ、じゃあ、あの店の串焼きと、あそこの店のスープが食べたいです!」


「おう。まあでも、試験があるから程々にな。」


 そして、二人は食事を済ませ、冒険者組合へと向かった。




(こ、ここが冒険者組合か。当たり前だけど立派な建物だな。)


「いよいよだな。まぁ、あんまり気負うなよ。じゃ、行くぞ。」


「はい!」


 アレンは少し緊張した様子で建物の中に入って行った。

 そこにいたのは、大勢の屈強な肉体を持った戦士と、ローブに身を包んだ魔法使いらしき者たちだ。


 グランは、受付の紺色の髪の女性の元へ歩いて行き、アレンも後に続く。


「ようこそ冒険者組合へ。私、ご案内をさせていただく冒険者組合職員のエミリーと申します。今回はどう言ったご用件で?」


「すまんが、こいつに冒険者適正試験をうけさせたいんだが?」


 グランがそう言うと、組合にいた者が皆、アレンに視線をやった。

 それもそのはず、こんな少年が冒険者適正試験を受けたことなど今まで無いのだから。


(うわぁ、みんな僕のこと見てるじゃん。やばいやばい、一気に緊張してきた。さっき食べたやつ吐きそうだ。)


「失礼ですが、この少年は何歳ですか?私には、冒険者になるには早過ぎると思いますが?」


 エミリーが訝しげにそう尋ねた。


「そういや、坊主はいくつだ?」


「10歳です。」


「だそうだ。」


 しかし、グランは飄々とそう答える。


「な、10歳ですって?そんな子供に冒険者をさせるんですか⁉︎」


 エミリーは声を荒げてそう言った。


「なるかならないかは、坊主が決めることだ。坊主はなると言った。そして、それを成し得る力がある。それだけの事だ。」


「僕は自分の意思でこの場にいます。だから、やらせて下さい。」


 グランの言葉にアレンも続く。


「っ……わかりました。ですが、子供だからといって試験が甘くなると言うことはありませんよ。それでも構いませんか?」


「は、はい。」


 エミリーの渋々といった風の言葉にアレンが力強く頷く。


「では、ここに名前と年齢、使用武器を記入して下さい。」


 そう言ってエミリーは、エントリーシートを差し出し、説明を始めた。


「試験内容を、次の内から一つ選んで下さい。対人戦闘、採集、獣の討伐。この場で行えるのは対人戦闘だけですが、難易度は最も高くなっています。逆に、採集や獣の討伐は、ノルマさえクリアすれば合格となります。どうされますか?」


「た、たた、対人戦闘でお願いします。」


「かしこまりました。では、奥の試験場に移動して下さい。」


(この子、すごく緊張している様だけど本当に大丈夫なのかしら?)


 と、エミリーは心配しつつも案内し、アレンは、訓練場と呼ばれる円形で客席もある闘技場の様な場所に着いた。

 客席にはグランと先程チラッと見かけた組合にいた冒険者たちがいた。

 アレンの緊張がますます大きくなる。

 そこに、野太い声が聞こえてきた。


「おう、オメェが今回試験を受けるっていうガキか。俺は試験官のローガンだ。」


(で、でかい……)


「アレンです。よろしくお願いします。」


「合格基準は、相手に決定打を入れられるかどうかだ。ま、木刀だから死ぬ事はねぇよ。じゃあ、始めるぞ。」


 先に仕掛けたのはローガンだ。

 ローガンの剣がアレンを襲う。

 アレンは剣を防ぐが、力で吹き飛ばされた。


(ってー、やばい、パワー強すぎでしょ。僕の体重だと簡単に吹き飛ばされてしまう。どうすれば……)


(坊主のやつ緊張して訓練した事完全に忘れてやがるな。)


「うぉりゃーー!」


 今度はアレンが斬りかかるが、ローガンは冷静に対処する。


「甘ぇな、次は俺だ、行くぜー。」


 ローガンが畳み掛ける様に連続して攻撃を繰り出してくる。


(やばい……またくる!防がなきゃ!)


「ゔ……くそっ……」


「おい、そろそろ降参すればどうだ。オメェも、年の割にはよくやったさ。」


(これは、本格的にやばいぞ。もうダメだ。)


 アレンがそう思っていたその時、


「坊主!訓練を思い出せ!いつも通りやればいいんだ。お前なら出来る‼︎‼︎」


(そうか、そうだよ。緊張で視野が狭くなってた。こんな相手にこそ有効だったよ。)


「降参しねぇなら、これで終いにしてやるぜ!ダラァー!」


 ローガン渾身の一撃がアレンに迫り、首元を捉えようとした次の瞬間……アレンは、ローガンの懐へ潜り込み、腹に木刀を突き立てた。


「ぐぬぅ、、くそガキがぁぁ!」


 思わずローガンの剣が大振りになる。


「光よ辺りを照らす力となれ光散(フラッシュ)


 アレンはそれをヒラリと躱し、光散(フラッシュ)で視界を奪った。


「ち、、目が、、何処に行きやがった。」


 その隙に死角に入り込み足を掬い、倒れたローガンの喉に剣を突き立てた。


「クっ……降参だ。」


「はぁ、はぁ、はぁ、ありがとうございました。」


 アレンは、ローガンに礼を言って結果を待つ。


「アレン・スタイン、合格だ。お前もこれから冒険者の仲間入りだ。」


「「「うぉーーー」」」


 周囲から歓声が上がる。

 アレンは、深々とお辞儀をし、受付へと戻っていった。

 受付に戻ってくると、グランが待っていた。


「緊張しすぎだ。修正すべき点も山程ある。だがまあ、ひとまず……よくやった。」


「はい!ありがとうございます!」


「アレン君、凄いわね。あのローガンさんに勝っちゃうなんて。あんなの誰も予想してなかったわよ。じゃあ、これがCランク冒険者のプレートよ。これからも頑張ってね。」


「ありがとうございます。」


 そう言って、チェーンにつながれた小さな鉄のプレートを首からかけた。

 こうして、アレンは冒険者の仲間入りを果たしたのだった。

やはり、戦闘シーンは難しいですね。これからも頑張りますので、よろしくお願いします!

誤字、脱字等ありましたら教えて下さい。

感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ