アレンの策
更新が遅くなって本当にしまいすみません。やっと、夏休みになりましたので、ペースを上げれたらと思います。
「よし、行こう!」
アレンは作戦を実行に移した。
「光よ辺りを照らす力となれ光散!」
まずは光散で目眩ましをする。
そこからアレンの怒濤の連続攻撃がグランを襲う。
「うぉりゃーー!」
ーーーしかし、グランはヒラリと華麗な体捌きで躱し、攻撃が当たることはなかった。
「ふぅ、お前の力はそんなものか?もっと本気でかかってこないといつまで経っても俺に当てることなど不可能だぞ。」
と言い、今度はグランが攻撃を仕掛けて来た。
グランの蹴りがアレンの脇腹を直撃する。
「ぐあぁっ」
アレンの体が吹っ飛び、木に激突した。
「痛ってー、くそ、何で当たんないんだ。」
と、思わず溢れた言葉にグランが答えた。
「何故当たらないか、その理由は二つある。」
「二つ?それって何ですか?」
「そんなもの、自分で考えろ。」
アレンが尋ねたが、グランはそれに答えなかった。
(ま、確かに、自分で理解して意味があるよな。)
そう納得し、アレンは一先ず身を潜め、考え始めた。
(おそらく一つは僕の攻撃が単調すぎるんだろう。もう一つは何だろ……わかんないな。でもなぁ、攻撃を当てるためには、相手の想定の一つ上をいかなきゃならないってことだろ。あ、やばい、これ無理ゲーじゃんか。)
考えれば考えるほど相手の想定外をいくことが如何に難しいかがわかり、アレンは苦笑した。
「でも、やるしかないよな。やってやる!」
そう独白し、再び熟考しだした。
(今までのパターンからして、あの人は躱すのも最も効率の良い躱しかたをしてるんだと思う。だから、目眩ましからの、重力魔法でいけるかもしれないな。あと、攻撃もどういう流れか大雑把に決めておこう。)
早速実行する。
アレンはグランの前に現れると、再び光散を唱えた。
(何だ?また同じ手か?ま、そう簡単に成長するはずもないか。)
グランがそう思いながら身構える。
「闇よ、大地よ、全てを圧する力となれ重力!」
アレンが重力魔法を唱えると、体が急に重くなるのを感じた。
(成る程、俺が最低限の動きで躱していると気づいて、重力魔法で動きを封じるって事か。なかなか良いじゃないか。だが、それも想定内だ。)
「重力軽減。」
グランはすぐさまアレンの重力魔法をキャンセルし、殆どの攻撃を躱し、残りも受け流した。
(ほう、あの一言でここまで……やるじゃないか。だが、まだ足りないな。)
(くそ、まだ足りないか。でも、さっきは全部躱されたけど、今度は受け流してる攻撃もあったぞ。後一つ何か……何かあれば。)
「そうだ、そうだよ!」
何かを閃いたのか思わず声に出してしまった。
(当てに行くじゃなくて、躱されても当たるようにすれば良いんだ。後は僕が制御できるかどうかだけど……そこは考えてもしょうがないな。魔力も残り少ない。多分これやったら、もう動けなくなるだろう。こんな事なら、魔力増大選択しておくんだった。くっそー、やってやる!限界なんて超えてやらー!)
アレンは最後の作戦に全てをかけ、行動を開始し、グランの前に出た。
(何か掴んだか?良い目をしている。)
そう感じ取ったグランはニヤリと笑みを浮かべた。
「いくぞ!闇よ、大地よ、全てを圧する力となれ重力!」
「重力軽減。」
「うぉーーーーー!」
アレンの猛攻が始まる。
グランもそれを躱し、受け流している。
「、ぜよ……、、き、、け、ウィ……ッター」
アレンが小声でボソっと何かをつぶやいた次の瞬間 ーーーーズシャ!!!
「痛ってーーー!」
アレンの腕は風斬撃でズタボロになり、躱したはずのグランの頰をアレンの突きが掠っていた。
「当たった……の……か?」
その言葉を残して、アレンは気を失ってしまった。
「なんて坊主だ。風斬撃を自分の腕にまとわせてそのまま殴ってくるとはな。この短時間でよくそんな無茶な事考えたもんだ。」
グランはそう言って微笑んだ。
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