トタ村にて
稜斗が目を開けた時、そこには知らない天井があった。
その時、知らない女性の声が聞こえてきた。
「あら、アレン、起こしちゃった?ごめんねー。」
(ん?アレンって?僕のこと?てことは、転生してこの家に生まれたってことなのか。)
「あなたー、アレンが起きたわよ。」
「ほんとか、おーい、アレンお父さんでちゅよー。」
そう言って体格の良い父親らしき人物が笑顔で顔を覗かせた。
「あなた、 アレンが怖がってるじゃない。ねー、こわかっわよねー。」
なんとも暖かみを感じる家庭だと、アレンは思った。
それと同時に、この時間がずっと続けばと思ったのであった。
ーーーそして、時は過ぎアレン10歳ーーー
「「アレンー、あーそーぼー!」」
「朝から騒がしいと思ったら、お前らか、サシャ、ハンク!」
アレンは微笑みながらそう返した。
そして、サシャ、ハンクと共に外へ駆け出した。
三人が向かったの向かったのは、村の外れにあるいつもの山だ。
そこで、果物を採ったり、魚を釣ったりしていた。
今日もいつものように三人で遊び、日が暮れはじめた頃に村に戻った。
だが、そこに村は無かった。
あるのは、ただの焼け野原と、少し離れた所に見える男らしき人影。
アレンは頭が真っ白になり、サシャは泣き崩れていた。
その時、
「お前が、お前がやったのかーーー!!!」
ハンクが怒りに任せて駆け出した。
アレンが気付いた次の瞬間……
ハンクは男に胸を貫かれていた。
「ハ……ハンクーーー!!!」
アレンも飛び出しそうになった時、横にサシャがあることを思い出した。
(ここで、俺が行ったら、サシャが巻き込まれてしまう。)
そう思い、アレンはサシャと共に逃げることを選んだ。
「はあ、はあ、はあ……」
アレンは途中で気を失ったサシャを抱えながら逃げていた。
「誰か……誰かいませんか!」
しかし、答えるものは誰もいない……
男はじりじりと距離を詰めてくる。
(なんで距離詰められんの。おかしいだろ。僕、敏捷性上昇してるはずだよね。)
理解できないことにアレンは動揺していた。
(せめてサシャだけでも逃すことができれば……)
アレンがそう思案していると…… 背後から
男の鋭い突きがアレンの胸めがけてくり出された。
それを間一髪で躱す。
しかし男は続けて、今度はサシャを狙って突きをくり出した。
「くっそ……ゔ……」
アレンは、サシャを庇って突きをくらってしまった。
(ま……まずいな……)
さらに、追い打ちをかけるように、男の突きがアレンの心臓に迫ってきた。
次の瞬間……
キィンッ‼︎
誰かの一太刀が男の突きを受け止めた。
「おいおい、やっと見つけたと思ったら、邪魔しちまったか?」
そう言いながら一人の壮年の男性が姿を現した。
しばらく更新できないと思いますがご了承下さい。
次回は短めですが、初めての戦闘シーンを書きたいと思います。
楽しみにしておいて下さい。