魔王イザベラ
更新が遅くなってしまい、申し訳ございません。
「帰ったかドイルよ。して、どうであった?」
そう尋ねるのは、漆黒のドレスを纏い、豪華な椅子に座る絶世の美女と、それを取り囲むメイド服を着た真っ白な肌に赤い瞳の侍女。
ただその美女は、人とは全く別の存在だ。その証拠に、銀色の髪が靡く頭に、羊のような大きな角が二本生えているのだ。
「はい。問題なく。それと、"ヤツ"と遭遇いたしました。」
「ほう、"ヤツ"か。やはり、まだ生きておったか。」
そう言ってイザベラはニヤリと笑みを浮かべる。
「はい。かつて、魔王城に到達し、イザベラ様に傷をつけた唯一の存在、グラン・ドレイク。ご命令とあらば早急に排除致しますが。」
「貴様には不可能だ。それに、再び合間見えるのも、そう遠くないかもしれんぞ?」
その言葉に周りの空気が急に変化し、緊張が走る。
「そ、それは、つまり……」
「ああ、ヤツは、グラン・ドレイクは再びこの魔王城に現れるだろう。その時には、この私が直々に殺してやるさ。」
イザベラは、喜びと狂気に満ちた表情を浮かべて、そう言い放った。
その表情を見たドイルは、寒気を感じ、身体が強張った。
「今日はもう退がれ。私は風呂に入りたい。エリーよ、風呂の準備をしておけ。」
「では、失礼いたします。」
その言葉で、我に返ったドイルは玉座の間を後にした。
また、侍女の一人である黒髪の女性が速やかに動き始めた。
「かしこまりました。イザベラ様。」
その声を合図に数名の侍女達もエリーに従って仕事を始める。
風呂の準備は直ぐに整い、風呂場へと移動する。
そして、エリーは、それが当然かのようにイザベラの服を脱がす。
露わになる二つの果実、引き締まったくびれ、ドレスの上からでは拝めないイザベラの全貌が明らかになった。
ゆっくりとお湯に浸り、一つの事を考えていた。
(グラン・ドレイク……次に会うのを楽しみにしているぞ。ウフフフ。)
そう、もう一度グランと戦い、殺すことだけを。
弟子になってから8ヶ月が経ち、グランから毎日のように剣術、体術の指導を受け、更には自主練も行なっていたアレンは、持ち前の吸収力で、グランと魔法無しでの手合わせを勝つ事は出来ないまでも、かなり長時間闘えるようにまで成長していた。
キンッ、キンッ、ドカッ、凄まじい速さの攻防。
(今だ!これはいける!)
アレンがグランの懐に潜り込むチャンスを掴んだと思ったその時、
「甘いわ!」
グランの肘がアレンの頭に直撃した。
「痛ってぇぇーー!あぁ、もう!今回はいけると思ったんだけどなぁ。」
「確かに、タイミングは悪くなかった。だが、分かり易すぎだ。もっと、相手に察されない様に動け。」
「は、はい。」
大きなたんこぶをさすりながらアレンは返事をした。
「ま、しかし、俺が思っていた以上に成長している様だな。これなら、次の段階に進んで良さそうだ。」
グランは少し笑みを浮かべながら、そう言った。
「次の、、段階、、ですか?」
「ああ。次の段階、ダンジョン踏破だ。」
「ダ……ダンジョンって、あの迷宮って言われている?」
「そうだ。ここから二つ先の街、カラカルから少し離れたところに森があるんだ。その森の奥深くにダンジョンがある。お前にはそのダンジョンに一人で潜ってもらう。」
「ひ、一人でですか⁉︎」
「お前なぁ、そろそろ毎回驚くのやめろよ。自分を過信してはいけないが、ある程度の自信は持っておけ。これまでやってきた事は、決して無駄じゃない事は、お前が一番わかっているだろう?」
「は、はい!でも……急には無理ですよ?」
「わかってるよ。少しずつ直していけ。」
こうして、二人はダンジョンのある、カラカルを目指すのであった。
ダンジョンという言葉にはやはり、胸が踊りますね。(アレンはビビってましたけど、、、笑)ダンジョンに潜るまでもう少しあるかもしれませんが、これからも宜しくお願い致します。
誤字脱字等ございましたら、教えてください。
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