Cutting
着信音が聞こえた。創が携帯に出た。
はい・・・はい・・・分かりました。今から向かいます。
「申し訳ない、私の案件のターゲットが動いたようです。今から行きましょう」
え?まじかよぉもう夜だぜ。
「はぁ。分かったよ。行きゃあいいんだろ」
「物分りがよくて助かります。では移動しながら話しましょう。下にバイクを止めてます」
「あなたの能力がまだ詳しくよく分らないので、端っこで邪魔にならないよう静かにしといてください」
「なかなか厳しいな!」
「もう!静かに聞いといてくださいよ。ターゲットの能力は、刃物を使うとどんなものでも切断してしまうんです」
「やべぇじゃん!それって防御不可ってことか?」
「はい。そしてターゲットの獲物はカッターナイフです。着きましたね」
事件現場は酷い状態だった。被害者はおそらく2人、ただ身体がバラバラにされている。
「わりぃ。ちょっと気分が・・・・・・」
「ですよね。私も直視は厳しいですね」
こんな奴らを相手にやってんのか、すげぇな。
「あっ。もしかして私のこと尊敬しちゃいました?」
「うっせえ。黙ってろ」
心を読まれたのが非常に悔しい。
と言い合いをしていると、創がターゲットを見つけた。
「瀬佐!いいかげん捕まれ!」
「捕まれって言われて、捕まる馬鹿がいると思ってんのかぁ?」
「そうだな。だから動けない程度に傷をつけるけどいいよな?」
と言いいつの間にか持っている日本刀を出した。
「僕に勝てると思ってんのか!そっくりそのまま返してやるよ!」
セサという男と創の戦いが始まった。
セサは創の攻撃をきれいにかわす。剣道の心得があるようだ。
「剣道部所属の僕にそれって頭悪いんじゃないのー?」
「悪いね。これしかなくてさ。君だってそんな小さいのじゃご不満なんじゃないのー?」
「そうですねぇ。もう少しリーチがあればいいんですが」
「そうか。残念だったな!」
と言い、いきなり勝負に出た!
勝負は一瞬に終わった。創の日本刀が真ん中から切られてしまった。なんの抵抗もないように。いや、実際そうなのだ。彼の能力はどんなものでも切る。そんな相手にどう勝てばいいんだ。セサの攻撃が当たる!と思った瞬間に、彼の頭上からたくさんの刃物が降ってきた!
「ぐっ!なかなかやりますね。ひとまずここは逃げるとしましょう」
「ここで捕まって終わりだ!」
と言い走り寄るが、セサが周りを切りつけ、大量のガレキをつくり、足早に逃げて行った。
「くそ!逃げられた」
周りのガレキを蹴飛ばし、機嫌が悪そうにしている。
「わりぃ。なにもできなかった」
「いいんですよ。あなたのせいじゃないです」
「取り逃がした私のせいです。ひとまずターゲットは傷をおっているので静かになると思います。捕まえるのはまた次の機会ですね。今日はお疲れ様でした。ゆっくり休んでください」
「ああ。お前もな」
それだけしか言えず、立ち去ってしまった。
クソ!クソ!クソ!なにもできなかった自分が悔しい。でも次セサって奴に会った時は絶対に創の助けになってやる。
その機会は友貴も想像できない場面で起こったのだ。
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