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序幕 俺と親友

どうも、案です。

というわけで、恋姫の方がちゃんと軌道に乗ってないのにオリジナル開始です。

何がというわけなのかは聞かないで下さいね、自分でも分かんないので。


ウボァ

───桜が芽吹き、新しい年度が始まるこの季節。

ここ蔵釧雲(くらくしぐも)高校でも、新しい風が舞い込もうとしていた。

そんな中で、俺は晴れて高校2年生となった。

前年度も赤点なんて取ったことはないし、これからも取るつもりもない。

……と言うよりは、取れない。

自分で言うのも何だが、俺はかなり高いスペックを誇っていると思う。

顔、頭、体、家。

整った顔。

IQ200と診断された頭脳。

どんなスポーツもソツなくこなす体。

世界有数の富豪である実家。

周りが言うに、俺は『完璧超人』らしい。

まぁ、4つ目については言ってないから知らない奴の方が多いが。


他国から蔵釧雲にその人ありと言われる、俺の親父──嵐山銑三(あらしやま せんぞう)──は、若い頃に旅で未開発の島へ向かい、何故か暇潰しに鉱山を掘った、という。

その結果、出るわ出るわ宝の山。

元から金が有り余っていた嵐山家は、その島を買い取り、某ネズミの国を超える程の財産を手に入れたのだ。


……俺の家についてはもう良いだろう。

何だってこんな説明をしていたんだか、俺は?


「こー!」


突然に後ろから声をかけられる。

キーの高いこの声は馴染み深い為、すぐに誰か分かった。

振り返りながらその相手に言う。


「なんだ、フミか」


「だからその呼び方止めてよ!? 女の子っぽいんだってば!」


この、茶髪にクリクリとした目をしたやつは上柳文康(うわやなぎ ふみやす)

一応言っておくが男。野郎だ。

親友であり、俺の4つ目の要素を知る数少ない人物だ。

前述の要素に、童顔で背も低いもんだから女の子に間違えられる。

良くクラスメイトが「男の娘ktkr」とか騒ぐが、こいつ自身は男らしさを求めているらしい。

だからと言って、体育の時間にモンスターボックスを始めるのはどうかと思う。

15段! とか言って跳ぶ癖に高さは8段程度で、毎回顔面を強打している。

その割に鼻が赤くなるだけで大きな傷も出来ないものだから謎だ。

容姿のせいか、体育はクラスメイトにとって癒やしの時間なのだ。

可愛いかどうかは置いといて、俺も癒されてる。


「別に良いだろう、減るもんじゃないし」


「僕のプライドがガリガリと減っていってるよ!」


大体の学生は相手との親睦を深める為、渾名を付けることは多いと思う。

俺たちもその例に漏れず、渾名を付け合ったんだが。

こいつは自分を「フミ」と呼ばれることを良しとしない。

理由は先の通り、女の子っぽいから。

実は、この「フミ」という渾名も妥協案であったりする。

元々は「フーミン」で行こうという形で纏まっていたのだが、フミはそれを断固拒否した。

そこで「フミ」はどうだ、と言った結果、じゃあそれで、という流れに。

で、決まった筈なんだが…、次の日にやっぱり嫌だと駄々をこね始めたのだ。

対策として考えついたのが「やっぱりフーミンが良いか」作戦。

これは絶大な効果を上げ、渾名決定から一年経った今でも有効なのである。

それにしても、一年間その作戦を公使されているのに、未だに「フミ」を拒否するのは我慢強いというか、我が儘というか。


「ならフーミンが良いか?」


「うっ……じ、じゃあフミで…」


よし。

今日もやっぱりフーミンが良いか作戦は絶好調だ。


「それより、さっさとクラス表見ようぜ。何時までも桜の花びらを頭に乗せてる場合じゃない」


「え、うわっ! いつの間にこんな!?」


フミの頭にはこんもりと乗った花びら。

自然に積もるにしてはあまりに不自然である。


「俺が乗せた」


「なんで!?」


「桜の花びらを乗せてどれだけ長くバランスを保てるかのギネスを決めようかと」


「そんな世界記録はいらないよ! というか、そんなことに挑戦するのはこーだけだよ!」


バサバサと音を立てて落ちていく花びら。

惜しいな。


「残念、現在の記録であるシャリー・ホルマイさんの5分17秒まで僅かに及ばなかったな。3秒差だ」


「他にやってた人いた!」


「意外とマイナーな競技もあるんだぞ。カバディをやってる間にどれだけ息継ぎなしでいけるかとか」


「マイナーってレベルじゃないよ!?」


「ああ、全部嘘だ」


「吐く必要あったのその嘘!?」


「あっはっは」


「なんで笑うの!?」


フミを弄るのは楽しい。

この一年間、休み時間は大体これでやってきたからな。

本に飽きて、ゲームに飽きればフミ。

フミだけはずっと一緒にいても飽きないだろう。

………勿論、友人として、だがな。


「ほら、早く行くぞ。それともここに置いてくか?」


「あれ!? なんか凄く理不尽な気がするよ!?」


「気のせいだ、細かいことは気にするな」


「細かいことだったんだ!?」


「これ携帯だからそろそろ残り文字数が危ないんだよ。早くしろ」


「何の話!?」


そんな少しメタな会話をしながら俺たちはクラス表を見に向かった。

フミと同じなら退屈しないが……どうだろうか?

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