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ぼくが宮殿の奥の間にいると、急に突風が吹いた。ばさばさばさ。そして、黒い服を着た色気のない女が現れ、ぼくを力づくで引っ張っていってしまった。
まさか、妃選びの日にさらわれるなんて。
ぼくは、黒い服の長身の女に目を奪われた。初めて見るマサミでない女の顔だ。美しい。
「名を、あなたは名をなんというのか」
「私? 私はカグヤ。ただの裏方でございます」
「顔しか、肌を見せないのか」
「あら? ヒロトさま。お望みなら、お見せしますよ。カグヤもヒロトさまの下僕にすぎません」
窓が開け放たれ、ぼくは竜の背に乗った。カグヤは竜に乗って、かぼちゃの馬車を引き連れて、宮殿の裏の森へ飛んでいった。
ぼくは、カグヤの胴に分厚い服の上からしがみついていた。
気がつくと、唐突に、地面にドサッと下ろされた。裏の森の中だった。
ぼくは見た。森の中に、見たこともない美少女が眠っているのを。
ぼくは、一枚の布切れで腰を巻いている以外、全裸だった。
ぼくが、世界一の美女が選んだ美少年ヒロト。
そして、ぼくの目の前に、紺の服を着て眠る眠れる森の美女がいた。
ぼくと、眠れる森の美女の間を竜を従える黒服の月の民カグヤがいた。
そして、ぼくらの後ろから、かぼちゃの馬車から降りた世界一の美少女シンデレラが走ってきていた。
「さあ、妃選びの儀です」
カグヤがいった。
「最も交わりたい女を選んで、抱き寄せなさい」
三人の美少女がぼくのそばにいた。
「ここに眠っている子の名前は何?」
「ユウナです」
ぼくは、シンデレラもカグヤもそでにして、眠れる森の美女を選び、キスをした。
ぱっと、眠れる森の美女が目覚めた。世界一の美しい美少女だった。茶髪で黒眼、病弱な青白い肌をしている。
「誰?」
「しい~~~~」
ぼくはカグヤとシンデレラを黙らせた。
眠れる森の美女とぼくの目が会う。
「ぼくの名前はヒロト。町の貴公子ヒロト」
ぼくはユウナを抱きかかえて、森のベッドから運び出した。
「きみの服を脱がしていいかい?」
ユウナはぽっと赤くなって、
「あなたがわたしの良き人ならば」
といった。




