猫の日だもの
私も夫も猫好きだ。
子供の頃から常に猫がいた。
しかし、東京の賃貸では飼えなかった。
地域猫を見つけては鑑賞。
ご飯はあげない。責任が持てないから。
そんなフラストレーションを抱えた二人。
猫の幻影を見るようになった。
ハンディワイパーの使い初めに毛を立てていて気付く。
「猫腹! これ猫腹ですん!」
いや、全然違う。
冬のある日、夫がこたつに足を入れると、ひょいっと逃げるものがあった。
中を見ると、何故かこたつの中に食べ終わったポテトチップスの空き袋が入り込んでいた。
二人とも食べ終わると結んで捨てる。それに足が触れて後ろに飛んだらしい。
「猫がいるかと思った!」
いや、いねーよ。
だが、とうとう猫を飼う時がやってきた。
そろそろ親も心配だし(まだまだ元気だったが)、別居だが地元に戻った。
ペット可。
そんな折、「猫産まれたよ」とメールがやってきた。
ぽわぽわしたのが四匹。
おひとりお迎えした。
それが、今でも元気なお嬢様。
当時からそれはもう元気で、元気すぎるくらい。
子猫だから。というのは勿論だが、性格が規格外だった。
こんな猫見た事ない、と思うほどに。
廊下で屈んでいると、わざと背中を中継してジャンプ、走り去っていく。
人間は物扱い。
いたずらをして「ダメ」と叱ると、一瞬考えこむ。
だが、次の瞬間、
「アタシ悪くないもん!」と、言いたげに顔を上げて睨みつける。
「ダメ」といった場所で、わざわざこちらを見ながら爪を研ぐ。
夜中に構って欲しくてトイレの猫砂を掻く。
そうすると人間が片付けに起きてくるのを知っているから。
その手には乗らないぞ、と放置するとお嬢様は次の手を考えた。
リビングに繋がるドアをザッカザカと掻いた。
「いや、行かんし」と放置。
これも駄目なら、さらに次の手。
洗面所の引き戸をドカドカドカドカと掻いた。
これが五月蠅い。
ドアストッパーをかましてグラつかないようにした。
とにかくかまってちゃん。
気を引くためなら何でもする。
「ダメ」と言われた事をわざとやる。
キジトラが来てからは少し落ち着いた。
いやあ、キジトラは手のかからない猫だった。
もしかしたらかかっていたのかも知れないけれど、一緒にいるのがお嬢様だから薄まって見えたのかも?
キジトラがお星様になって、かまってちゃんがまた復活した。
そう、そして今。まさにこの瞬間も「ああ~お!」と鳴いている。
はいはい。
終わったらね、と思ったら不貞腐れて寝てるわ。




