悲しいけれど、いつかは来る話
「猫のお葬式ってした事ありますか?」
二年ほどお世話になっている美容師さんからの質問。
ワンコのような愛嬌モリモリの男性で、大の猫好き。
毎回猫話に花が咲く。
飼い猫が十二歳になって、ふと、不安になった様子。
最近よく涎を垂らしたりするらしい。友人の猫も年をとって、同様に垂らすとか。
⋯⋯うちのお嬢様はしないがなあ? シッコのキレは悪いが。
個体差か。
で、いつ何があるかわからない年齢になったので、お葬式について知りたいと。
・ネットで調べて動物の斎場を見つけた。
・そこは二十四時間電話対応で、火葬場とお墓がある。
・ただし、規模が小さい。
・火葬、骨壷・桐箱等含めて二万円くらい
そんな話をした。
キジトラは夜明け前に旅立ったので、その時点で電話予約。十時に火葬。
と、聞いた途端に、「一日は一緒にいたいっすー」と切なげ。
気持ちはわかります。が、夏だったんです。厳しい。
保冷剤てんこ盛りで、動物用棺桶セットに安置した。
段ボール製の棺。と、別にお布団セット。
「えー、そんなのあるんすかー? いつ用意したんすかー?」
「アマゾンで売ってますよー。これはもうやばそうって思った時に」
キジトラはがんが肺に転移して、胸水が溜まり始めた。
酸素ハウスもレンタルして、胸水を二日にいっぺん抜いた。
だんだん食欲も無くなり、これは覚悟を決めないとならないな。というところで注文した。
それから一週間は必要なかったが、それでもその時は来てしまった。
お別れまでに時間があったので用意できた。
「そうかー」
しょんぼりしながら彼は話していたが、参考になればいいなと思った。
「骨壺はどうしてますー? ずっと一緒にいたいですー」
そう彼は言った。余程溺愛してるのだろうな。
前にも「いなくなったら、どうにかなっちゃう」とか言っていたし。
愛嬌のあるイケメンだから独身の女性客に苦労しているらしいし、猫に縋ってしまうのかも知れない。
美容師さんも大変だな、と猫に関係ない話だが思ってしまう。
ちなみにキジトラのお骨はまだ家にあります。
毎朝カリカリとお水を供えて、手をあわせています。
でも、老い先短いですし、そのうちお墓に⋯⋯と考えています。




