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猫とのあれこれ  作者: 小日向 おる


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お裁縫事情

 猫ブームがあって色々物申したい事例もあったが、ブームのおかげで増えたものがある。

 術後服とカラー。


 猫が手術をしたり、ストレスで過剰グルーミングや怪我をしたりすると必要になるもの。

 今では着せるのも楽になったり、着心地も考えられていたりで種類も増えた。

 我が家のお嬢様が避妊手術をしたのははるか昔、18年ほど前。

 なかった。いや、あるにはあったかも知れない。

 でも当時の私は買わなかったのだから、お高かったんだと思う。

 結果、ネットで調べまくって自力で作った。

 家族と二人で手ぬぐいを切って、縛って、あれこれして着せた。

 ⋯⋯⋯もう二度とやりたくないと思った。

 その後必要になったのはキジトラが断脚した時だが、その時は買った。

 ロンパースみたいなのを。

 医師に裸でオッケーと言われたのでドーナツカラーで過ごさせたが、一度着せてみた。

 5分も経たないうちに食い破られた。

 再びドーナツカラー装着。

 

 お嬢様の避妊手術から二年、キジトラ子猫を保護した。

 右前脚が麻痺していて肘をついて歩いていたので、アスファルトで擦って流血していた。

 どうしろと!

 まずはガーゼを当てて、くっつく包帯で留めた。舐めるのでカラーも装着。

 だが、邪魔なのか後ろ足で掻きまくってズレた。

 ネットで探した。いいものが見つからない。

 うんうん悩んだ結果、当時猫服は売っていなかったので『犬』用Tシャツを長袖に改造して着せた。

 これはアリだと思った。

 が、後ろ足で掻くし、牙で引き千切ろうとする。わざわざ買っていては高くつく。

「無いものは作る」が発動。

 犬服の本を買い、付いていた型紙で何着も作った。

 中・高の家庭科の裁縫スキルしかないのに、ミシンで縫った。

「ジグザグ縫いする」本に載ってる単語がわからない! ネットがあって良かった。

 自分で着なくなったTシャツやらカットソーやらを切って作った。友達からも貰った。

 二年くらい着せたと思う。そのうちゲガも治り、肘にタコが出来たので裸族に戻した。


 そんな中、お嬢様がストレスで舐めハゲを作るようになった。前脚の内側。

 カラーの出番である。

 当時からプラ製のエリザベスカラーは売っていた。

 が、でかい、重い、高い。

 お嬢様の為に、なるべく軽い物を⋯⋯、とネットで検索。

 クリアフォルダーを切って作る方法がヒット。百円ショップへ走る。

 お嬢様大好きなキジトラがちょっかいを出す様を見て、「危なくないか?」と気づく。

 柔らかくて防水の素材を探す。近くの手芸店でラミネート加工された布を発見する。

 面ファスナーも購入して、留め具にした。

 クリアフォルダーを型紙にして、ミシン稼働。

 かつて使っていた製図用コンパスで、多種多様な大きさのエリザベスカラーの型紙を作った。

 そのうEVA樹脂で出来たエリザベスカラーを通販サイトで見つける。

 柔らかくて猫同士ぶつかっても痛くなさそう。

 百円ショップで別件でプラ板を探している時にEVA樹脂の工作用シートを発見する。

 柔らかいが縫い合わせなくても形が保たれ、プラスナップで留められる。

 最強だと思った。


 が、エリカラは耳に触るので嫌がられる。

 そこで見つけたドーナツカラー。

 買うとお高いのでネットの画像を見まくる。構造を知る。

 エリザベスカラーの型紙を流用して、手芸用ポリエステル綿を詰めて作った。

 防水ではないので汚れたら洗って使えるのはいいが、猫的に脱ぎやすいらしい。

 前脚を器用に使って「でいやっ」と外す。お嬢様はわざわざ見えない所まで行って外した。

 仕方がないので用途に合わせてエリザベスカラーとドーナツカラーの使い分けをした。


 最近は布製のエリザベスカラーもドーナツカラーもかなりお安くなっているので、自分で作ることはない。

 いい世の中になったもんだ。


 他にも首輪とか、リードが付けられるベストとか、バズっていたクッションを五枚使った猫ベッドとか色々作った。

 裁縫スキルが上がったかというと⋯⋯、たいして上がってない。

 

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