Chapter 4 食(植)物
本当に更新できなくてすみませんでした!
来週は更新ゼロかもです⋯
本当に本当に申し訳ございません⋯。
ぐううぅぅ~。
私のお腹からとんでもない爆音が鳴り、私は目を覚ました。
ただでさえ植物しか居ないのだ。ちょっとした物音でも無駄に響く。
⋯隠密活動には向いてないな。
そして贅沢なことを言えば、異世界に来てから初めての朝だし、小鳥の囀りとかの環境音で目覚めたかったのだが⋯。
一通り思案し終わった途端、私は尋常ではないほどの空腹感に襲われた。
そりゃそうだ。
事故ってから何も食べてないもん。
⋯待てよ。
ここ植物しか居ないじゃん(フェルマノートを除く)。
菜食主義矯正(強制)場かここは。
いや⋯重大な欠陥があった。
ここにはまず、食せる植物は生息しているのか?
Probably it is negative...
私は事故った頃の記憶を引っ張り出して、空腹を紛らわそうとした。
以下、回想シーン。
おぉぉなぁぁかぁぁすぅぅいぃぃたぁぁ⋯!
私はものすごい空腹に悶えながら映画が終わるのを今か今かと待ちわびていた。
因みに見ている映画は現在大ヒット中の迷作らしい(少なくとも私の友人はそう仰有っていた)。
⋯迷⋯?
題名は「Fat Girlに恋をした」。
はいそーですかとしか反応できないのは私だけか?
そうではないと信じたいのだが。
そしてこの作品は全国の肥満度に符号がついていない方々を全面的に敵に回そうとでもしているのかと錯覚するくらい過激なのである。
Fat Girlが椅子に座ったらその跡が永久についたままになったとか、Fat Girlがそばにいるとそこだけ重力が高くなって隕石が誘引されたとか、もはやその勇気を褒めたくなるレベルだ。
そして読者の大半の方々が思うだろう。
何故ポップコーンやらなにやらを買わないか?
答えは一つ。
食費最低限+映画チケットぴったりの金額しか持っていないからだ!
残念ながら最低限の食費をポップコーンは上回ってしまったのだ。
玉蜀黍って高いんですよ。
だから諦めてこのように空腹に悶えているのですよ。
⋯⋯って私はどんな回想してるんだよ⋯。
私は事故る直前に意識を飛ばす。
「桜あんぱんいかがですか~」
「時空改変かき氷いかがですか~」
「リアルブラックホールいかがですか~」
なんか段々食べ物じゃなくなってないか?
そう思いつつ、私はやっとの思いで(空腹だったから⋯)商店街をスルーし、コンビニへ向かい、お握りを食べ歩きして⋯あの陽キャピンクにやられたんだよ。
やっぱあれフェルマノートじゃね?
あとで詰問してやろう。
ということで自然と意識が現実世界に戻ってきていた私はフェルマノートに怒鳴り散ら⋯
「⋯フェ⋯ルマ⋯ノー⋯⋯ト⋯⋯⋯ごは⋯⋯ん⋯たべ⋯⋯る⋯」
⋯すほどの元気はなかった。
しかもフェルマノートは私の声を受けてもなお幸せそうにすうすうと寝息を立てて眠っている。
おー、ムカつく。
よし、たまには神様でも食うか。
そういうことで、いざ実食。
神ってどんな味するんやろ⋯。
思い切ってがぶっ!とかぶりついてみる。
⋯⋯
映像やないかい!!
「んー⋯⋯?こーげき、されたぁ⋯⋯?うふぅ⋯」
⋯は?
こいつM属性?
⋯見なかったことにしておこう。
「フェルマノート。私、お腹すきすぎて暴れかけてる」
「ん⋯⋯?あたしは⋯⋯羽水に虐められてたのぉ⋯?」
違うから。
かぶりついただけだから。
「ご飯かぁ。自分で取ってきなよー」
「どれ食べれるの?」
「羽水が今栄養として欲しているのは緑力。つまり、植物なら何でもあり!」
よし、フェルマノートを食おう!
「ちょちょちょ、だからあたしは⋯いや、それもいーかもぉ⋯」
⋯面倒なやつだ。
私は諦めてそこら辺の草を口に入れた。
⋯美味しい。
エネルギーが体に浸透していく⋯。
味?
ねぇよ。
あると思うか?
「羽水、怖い⋯」
そして私の異世界初の朝食は⋯うーん、なんともいえないな。
美味しいっちゃ美味しかったね。
「さーて羽水、魔術の特訓やるぞー!」
ところでフェルマノートよ。
お前は何も食べなくて生きていけるのか?
その胃袋及び身体の強靭さを私に少し分けてくれ。
「特訓やるぞー!」
逃げられた。
お読みいただきありがとうございます。
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