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番外編 ー赤と企み(2)ー

「まさか、そなたの方から協力を申し出てくれるとはな」

「ほほほ。先日の舞踏会で廊下で迷ってしまったとき、殿下と部下の方が話されているのを偶然耳にしたのです。……王になるために、あの子と結婚されたいのでしょう?」

「話が早くて助かるが、盗み聞きはいただけないな」

「…どうかお許しください。しかし、私は殿下に大きく貢献することをお約束いたしましょう」

「まあ、いいだろう。こちらとしても協力者が増えるのを嬉しいことだ。…あの男爵がしくじったからな」

「やはり、あれは殿下の企みでしたのね」

「企みとは人聞きの悪い。俺はただ、あの役立たずを英雄だとか未来の王だとかと誤認している人々に、俺の力を見せつけて目を覚まさせようとしただけだ」

「ええ。わかっていますわ」

「…それで、望みは何なのだ」

「下の娘を王妃にお迎えください。それから息子には、未来の宰相の地位をお約束いただきますよう」

「ふっ、俺が王になればそのくらいは容易いことだ。…しかし、下の娘を王妃に迎える、とは”側室で”ということか? 王は正室を迎えれば、離婚はできない」

「あら、将来何が起こるかなんて、誰にも分かりませんわ。……特に、事故にあってしまうことなんて予測はできません」

「はっ。面白いことを言う。仮にもあいつは、もう一人のそなたの娘だろう?」

「関係ありませんわ。殿下が王になるための手段として使った後は…、あの子にはいなくなってもらいませんと」

「ああ、そういうことなら。——約束してやろうではないか」


 二つの笑い声が、薄暗い部屋に響き渡った。

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