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風俗嬢の立ち寄る喫茶店  作者: リサ
2/2

ハナちゃん 出会い

風俗嬢のお客様で一番印象深いのがハナちゃん。彼女との出会い。

常連さんの中でもダントツでよく来るのがハナちゃん。


ハナちゃんの仕事が休みの日には起きたてホヤホヤの顔でランチを食べに来て、閉店間際に片付けしてる私の横でホットミルクを飲みに2回来る。


店に来る時はノーメイクで年齢を聞かなかったら、学生に見える。

服装はシンプルで、何年も着ていると思わせるブラウスにプリーツスカートや、毛玉がところどころついてるセーター。しかし、不潔感はなく丁寧に着ている感じ。

最初に来たとき、小さな声で、バナナジュースを注文し、カウンター席の1番隅に座った。


営業の休憩でよく来ていた友人と私のバカ話しを、ゆっくりバナナジュースを飲みながらクスクス笑いながら聞いていた。

何回目か来たときには、ハナちゃんも会話に入ってきたり、自分の元彼がお金を持ち逃げした事など、なかなかハードなエピソードも披露するようになってきた。

カウンターの隅がハナちゃんの定位置となり、

「おはよう」

「行ってらっしゃい。」

「おかえり。」

こんな挨拶から会話が始まる。

「いらっしゃいませ。」

「ありがとうございました。」

ではないのだ。

ハナちゃんが毎日のペースで来るようになり、1か月が過ぎた頃、

「千佳子さん、私、風俗で働いてるねん。」

バナナジュースを飲みながら話しだした。

「えっ?そうなの?」

少々、動揺しつつも私は答えた。


「表向きはマッサージ店なんだけどね、めちゃくちゃミニスカートでめちゃくちゃ短いタンクトップでオイルでマッサージやるの。

本番はNGなんだけどね、タイプの人だったり、お金で交渉されたりもあるんですよね。それに、ガマンできる男の人って居てないですよ。やられちゃう女の子多いんじゃないかな。」


「その仕事は長くやってるの?」


「3年ぐらいになるかな。」


「セックスが好き過ぎて風俗してますって言ってる人を何かの動画でみたけど、ハナちゃんは、その仕事は、好きでやってるの?」


「私、バカだから、働くとこないから。」


いつもの調子とは違う消えそうな声になっていた。

私は、話題をかえようとハナちゃんに試作のケーキを食べてみてと、ケーキをお皿に盛り付けた。


「おいし〜!甘すぎなくて美味しい。」

明るさを取り戻してくれたようだ。


「千佳子さんにお願いがあるんだけど、、、。」


「なに?」


「私、油っこいのとか、添加物とか食べると胃がムカムカするから油っこくないおかずでお弁当を作って欲しいんだけど、、、。」


「テイクアウトランチ、ハナちゃん専用か。」

「ダメ?」

「いいよ。作ってあげるよ。」

「やった!良かった。じゃ、LINEで注文と取りに行く時間入れるね。」


その日の店の空き時間に、大阪難波の道具屋筋商店街にお弁当容器を買いに行った。

明日から、ハナちゃんのお弁当作りだ。


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