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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
共和国軍の独断専行と北部王国軍の憂鬱
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day93(第61混成旅団)

第61混成旅団司令部司令官天幕


 「元が寄せ集めの部隊なんだ連携が取れないのは分かりきっていたが、どうしてそんな簡単な報告も共有できないんだ」


 「各指揮官が指揮官としての基本的な教育を受けていないことが原因です。報告が必要な事項と、そうでない事項がごちゃごちゃに混ざっていて、何を報告すればいいのかがわかっていない様子でした。各大隊本部も前線からの報告と、作戦計画の立案がごちゃごちゃに混ざっていて、毎日の作戦計画を立てるので手いっぱいの様子でした。はっきりいって大隊本部というより中隊本部に近い雰囲気を感じました」


 「前線が大混乱ですから、大隊本部もまあめちゃくちゃになりうるのは想像できます。大隊付参謀も状況の統制ができていないように見受けられました。立て直しをする時間的余裕はありませんので、このまま戦闘を継続させるしかありません」


 「それで、その尻拭いを旅団本部で行えということか。この旅団司令部だって寄せ集めで、ぐちゃぐちゃなんだぞ。君たちで処理できるのならそれでもかまわないが、東部方面軍司令部から叱責を受けるのは私なんだぞ」


 「あきらめましょう。今目指すべきは戦線の維持と将兵の損耗の最小化です。共和国軍が崩壊する悪夢を見たくはありません。ここで抑えられるのならそうするべきです」


 「わかった。それで、前線はどういう状況なんだ」


 「各部隊とも相当な苦戦を強いられています。魔王軍側が大攻勢に出ていて、戦線を維持することもできていません。遅滞戦術で少しずつ後方に下がっていますが、この様子ですと1週間後にはここまで戦線が下がってしまいます。このことについて東部方面軍司令部はどういう見解をお持ちでしたか」


 「東部方面軍司令部もだいぶ混乱している。戦線の維持はできないという認識を持っているように思えた。そこまで気が回らないという様子だった。おそらく共和国軍周りの戦線全部がそうなってしまっているのだろう。ここだけの話になっていない」


 「それで今後の方針はいかがなさいますか」


 「方面軍司令部からは戦線の維持を命じられているだけだ。増援たる第4軍団の到着まで何としても持ち堪えてほしいとしかいわれていない。できるできないではなくやれということだ。ここが崩れると、首都までまともな防衛線はないらしいぞ」


 「悪夢ですね」


 「全くだ。とにかく戦線を維持すること一点にしばらくは注力しよう」

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