day91(南部方面軍からの配置転換準備)
南部方面軍司令官私室
「司令官のみ黙読可というめったに見ない命令文が参謀本部から来たと思ったら、東部戦線の穴埋めのための部隊発出準備を、誰にも悟られることなくするようにとの内容だ」
「私はそれを聞いていいのですか」
「さすがに私一人で準備はできん。私の責任で君には教える」
「発出部隊は南部王国軍ということでよろしいですか」
「そのつもりだ。が、規模や時期について命令文に何も書いていない。いつほしいのか、どれくらいの規模の部隊が欲しいのかがさっぱりわからない。参謀本部とやりとりをすると、それだけで聡い誰かが気づく恐れもある。機密指定の範囲についても確認したい。が、竜騎兵を使っていいのかすらわからん」
「この命令文が来た段階でおそらく漏れています。といいますか東部戦線で何かが起きていることはこの司令部内どころか、軍団司令部にも漏れていますし、一部下級将校にも漏れ伝わっていると聞いています。」
「漏れているということと、それが事実であるということを認めることは全くの別問題だ。が、もう考えてもどうにもならないか。参謀本部と調整するか」
「部隊に移動準備命令は出しますか」
「もう少しだけ待つが、各軍団長にだけは口頭で伝えろ」
「わかりました」
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北部王国軍南部方面軍隷下南部王国第1軍団司令部司令官公室
「東部戦線に軍団全軍で移動してもらう可能性がありますので、その伝達に参りました」
「噂は本当だったということですね。わかりました。準備を始めます。機密保持はどこまで?」
「現時点では軍団長限りということになっています。ので、閣下の裁量で機密保持ができそうな範囲内の方に説明してください」
「また難しい相談ですね。第2軍団長に教えても?」
「各軍団長には直接口頭伝達しますが、機密漏洩の恐れがあるので軍団長間での連絡は今はしないでください」
「わかりました」
「ということで移動計画を策定してください」
「わかりました。とりあえず私一人で作成できる範囲で作ります。移動にかかる日数はどうしても長くなります。間に合わないという事態を想定しておいた方がいいかと思います」
「詳細な情報が参謀本部から来ていないので、とりあえず通常の部隊移動という前提で計画は立てましょう。イレギュラーが起きたらその時考えます」




