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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
共和国軍の独断専行と北部王国軍の憂鬱
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day87(攻勢頓挫と共和国軍の苦悩)

 魔王軍によって攻勢を抑え込まれて4日目。

 戦力比は北部王国軍を足しても圧倒的に魔王軍優位であり、打開策は全くない。

 共和国軍の損失は5パーセントを超えており、一部戦線では押し返されてすらいる。その押し返された箇所を北部王国軍部隊がいわば火消し部隊として駆けつけ対処するという、当初の目的がどこにいったのかわからないような戦場になってしまった。

 共和国軍司令部と北部王国軍前線部隊司令部間でも、不服ながら連絡線が形成され、共同作戦が一部で展開されるようになった。

 第10旅団到着まで数日となったが、ただの補充部隊としてそのまま前線に投入される予定となっている。

 結局、共和国軍による祖国奪還作戦は失敗に終わり、作戦開始前の状態に戻ろうとしているというのが北部王国軍参謀本部の見解となりつつあった。



 「各部隊とも魔王軍の猛攻を前に、前進どころか後退を強いられています」

 「北部王国軍の支援がなかったら、とっくに崩壊しているような状況です」

 「共和国領どころか前線を突破することすらかなわないのか。北部王国軍に助けられるとは情けない」

 「泣き言を言っていても始まらない。とにかく前進あるのみだ」



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北部王国軍共和国軍支援部隊指揮官会議



 「共和国軍は前線の損耗率が高いです。1週間も経てば30パーセントを突破して崩壊します。補充兵もいませんので、共和国軍司令部として何かしらの判断を強いられると思われます」

 「北部王国軍としては支援を継続する。前進は参謀本部から禁止されているし、東部方面軍司令部が計画していた戦線押上げ計画もなくなった」



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第4軍団司令部



 「前線からの報告で、共和国軍の進撃が魔王軍によって止められました。特に打開策や決定打があるわけではないので、このままじり貧に陥る可能性が高いです。参謀本部から新しい命令は来ていないので、軍団としては引き続き東部方面軍へ合流という方針で動きます」

 「東部方面軍予備部隊に編入されるという指示も来ている。おそらく共和国軍がどうなろうと我々の移動方針に変更はあるまい。第10旅団を再度指揮下に入れるようにというあたりからも、いよいよ実戦投入ということだろう」

 「共和国軍を見殺しにするというところに不満がたまっているようですが、全体的に戦況が不利であることは事実なので、時間とともに収まるだろうという見方も一部にあると聞いています」

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