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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
共和国軍の独断専行と北部王国軍の憂鬱
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day82(共和国軍と北部王国軍の応酬)

 共和国軍に対して前進停止命令が発出された。今回は北部王国軍参謀本部名で発出され、部長級参謀自らが命令書を直接手交し説明を行った。



・北部王国軍参謀本部内で作戦計画の大規模な組み替えを行っていること。

・大規模な部隊配置転換を行うこと。

・そのために少し時間がかかるので待ってほしいこと。



 共和国軍はこれを拒否し、予定通りあさってを目処に全軍に寄る進撃を開始すると回答した。命令書を持って行った参謀は面食らったが、それほどの覚悟を持っているのでは止めることはしないと伝えて引き上げた。



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共和国軍前線司令部



 「以上の理由から北部王国軍として共和国軍に対して大規模な攻勢支援を行いたい。そのための時間を頂きたい」

 「今まで散々邪険に扱っておきながら、今頃になってそのようなことを言われてもももう遅い。君たち北部王国軍が部下の暴走を止められないように、我々共和国軍も部下の士気を抑えることはできないし、抑えるつもりもない」

 「了解した。持ち帰って善後策を検討する」

 「結構だ。我々は我々のやり方で祖国へ帰る」



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北部王国軍東部方面軍司令部



 「ということで交渉は失敗に終わった。取りつく島もなかったので、おそらく何を言っても聞いてはくれまい。参謀本部としてやれることは行うが、時間がなさすぎて打てる手がほとんどない」

 「東部方面軍としてもできる手はあまりない。全軍突撃とかいう訳の分からない作戦は実施したくない。第4軍団が来てくれれば方面軍予備部隊をまわしたかったが、おそらくそれすら間に合わないだろう。今回ばかりは我々の負けだ」

 「司令官閣下としてはどうしたい?」

 「同期に言われると嫌味に聞こえるからやめてくれ。とにかく王国軍兵士の暴走を止めるのが最重要目標だ。共和国軍がどうなろうと知ったことではない。この考え方に変更はない。が、どうやって前線の独断専行を止めるかが問題だ。誰か重しになりそうな人間を引っ張ってくるという手もないか?」

 「その思い浮かべている人物はいま南部方面軍司令部で竜騎兵部隊を引き抜かれたことに頭を抱えているよ。とにかく彼は無理だ」

 「わかった。参謀本部でも何か策を練ってくれ。前線司令部としてはあまりできることがない」

 「持ち帰るが、参謀本部にも策はあまりないぞ」

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