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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
共和国軍の独断専行と北部王国軍の憂鬱
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day80(共和国軍の威力偵察と北部王国軍の支援)

 共和国軍が進撃前の威力偵察を開始した。ただの偵察ではなく、威力偵察として部隊を出しており、交戦許可も出していた。

 その様子を見ていた北部王国軍東部方面軍第2騎兵旅団の先遣隊も、随行して支援を開始した。魔王軍の戦線は非常に分厚く、騎兵部隊は早々に進撃を止められ後退を余儀なくされたが、共和国軍側はまるで撤退という言葉などないかのごとく魔王軍に向けて突撃を開始してしまった。もはや偵察の域を超えている。



 北部王国軍竜騎兵部隊も偵察の域を超え、魔王軍に対する攻撃を開始し共和国軍の支援を始めた。その様子を見ていた東部方面軍第2騎兵旅団も、再度突撃を開始。本体であるはずの共和国軍部隊より大規模な交戦をしてしまった。



 参謀本部や東部方面軍司令部の意向と異なり、共和国軍の進撃に対して前線の王国軍兵士は同情を超えた感情を持っているようで、攻撃に対してかなり前のめりな支援をしていた。ただ、損害の最小化を参謀本部が厳命しているため、本格的な支援まではできない。そこにもどかしさを感じる王国軍兵士もいた。



 威力偵察の結果は共和国軍司令部にも伝えられた。



 全滅である。



 これはそのまま共和国軍全軍の運命を意味しているのだが、いまさら進撃を止めるという選択肢は誰も持っていなかった。皆もとよりその覚悟でここにいるのである。問題は、この予想されたとはいえ結果を突き付けられた北部王国軍側にあった。



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北部王国軍東部方面軍司令部



 「我々は共和国軍に対する全面的な支援を行いたいのでその許可が欲しい」

 「そんな許可出せるはずがないだろう。大損害が出ることが分かりきっているうえに、作戦遂行上何の意味もないんだぞ。参謀本部にどう説明する」

 「では閣下が前線の兵士を説得してください。我々で抑えるのは難しいです。下手したら共和国軍に合流しかねない部隊までいるのです。何らかの対策が必要です。それも直ちに」

 「わかった。参謀本部と相談して対応を検討する」

 「お願いします。長くは待てません。私は前線に戻ります」



 「シナリオとして考えられるのは部隊増強が第一です。残りの騎兵旅団全部と、戦略予備の1個旅団投入。参謀本部に対しても第4軍団の一部部隊をまわしてもらい、その余剰を東部方面軍として共和国軍支援部隊に転用する程度の大規模な編制変更が必要かもしれません。」

 「どうしてこうなってしまったんだ」

 「戦場の兵士にはたまにあることです。仮にも一時期戦友だった共和国軍が敵に向かって突撃するんです。結果はともかくその行動は英雄的とも見れます。我々北部王国軍が防戦一方で後退作戦をずっと続けてきていることに対する兵士のストレスを甘く見ていたところもあるかもしれません。これは完全に私の誤算です」

 「君の作戦案に同意したのは私だ。君のせいではない。誰のせいでもない。強いて言えば共和国軍のせいにしたいが、そんな酷なこともできない。とにかく戦力増強による共和国軍への全面支援を許可する。場合によっては東部方面軍全軍による戦線押し返しも行うかもしれない。参謀本部にはそう伝えてくれ」

 「わかりました。・・・結局、北部王国軍の損害最小化は夢物語でしたね」

 「まだわからんよ。結果が良い方向に転んでくれることを期待しよう」

ちょっと予定していたプロットからずれていますが、実際の戦場でもありうる気がしたので

プロットの方をいじりました。

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