大陸の地勢(参謀本部情報部作成、戦争前時点)
北部王国軍参謀本部情報部
1.山脈
大陸最大の特徴は、山脈が東西に走っていることである。この山脈の北と南で気候をはじめ様々な要素が異なっており、ひとびとの生活様式にも深く影響している。
山脈北部は肥沃な土地で、北部王国のある北西部地域は鬱蒼とした大森林と広大な穀物畑が広がっている。共和国がある西部も同様ではあるが、森林は北部王国領ほど鬱蒼とはしていない。
山脈南側は広大な砂漠地帯となっており、ところどころにあるオアシスを中心に街が発展している。
大陸の周囲は海が広がっており、魚介類が非常に豊富にとれる。南部王国は砂漠のため農作物の収穫が期待できず、結果として魚が主食となっている。
2.河川
大陸でもっとも水量の多い河川は共和国から西に流れている川であるが、それでも乾季になると徒歩で渡れてしまうほど水量は少ない。河川が地形の障害にならないほど小さいのは大陸全体にいえることで、街道筋は一応馬車が渡るのに便利なので橋を架けているが、橋を使わずに馬車を通すことも不可能ではない。
一部、源流で急峻な崖を形成している地形もあるが、数えるほどしか見られず、そのような地域は住む人も少ないため、得られる情報自体限られている。
降った雨は地面にそのまま吸収されるか、一部地域にみられる広大な湖に流れ込んでいる。湖は随所にあるが、大都市近辺の湖は生活排水の流入で汚れており、飲用には適さない。
3.輸送形態
大陸北部は街が多く、馬車で半日も移動すればどこかしらの集落にたどり着ける。
北部王国領内は鬱蒼とした森林が広がっている影響で、街道筋が多くなく首都と共和国を結ぶ主要な街道は二本のみである。
共和国領内は街道がまさに網の目のように広がっている。
南部は砂漠地帯のため、整備された街道は存在しない。一応の街道はあるが、整備はされておらず小石や時には移動してきた砂丘が道をふさいでいることもあり、地図が往々にして役に立たない。
移動には水の携帯が必ず必要だが、その分馬車に積み込める物資は減少する。結果として、街間を単独で走る馬車は非常に少なく、少なくとも5台以上の馬車により構成されるキャラバンを作ることが多い。