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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
共和国軍の独断専行と北部王国軍の憂鬱
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day76(共和国軍の動きと周囲の反応)

 共和国軍の東部戦線への移動は隠ぺい工作がまるで行われておらず、さりとて堂々としているわけでもなく淡々と実施されていた。

 共和国軍を名目上指揮下に置いていた北部王国軍第4軍団長の停止命令は完全に無視された。それに対して第4軍団として組織的な行動は行わなかったが、移動している共和国軍に第4軍団偵察部隊を張り付かせ、牽制はしっかり行った。



 竜騎兵部隊による偵察はもはや隠し立てもせず、むしろ示威行為を兼ねるよう命じられたことから、大胆になっていた。共和国軍の離反は関係者の間では周知の事実となり、本来それを知らない立場のはずの人間も何かが発生していることを感覚的に理解できるほどだった。



 北部王国軍による共和国軍への補給は、糧食以外はすべて打ち切られ、武器や衣服、医薬品の供給も打ち切られたが、共和国信奉者によって武器以外の支援は行われた。武器の支援はそもそもが難しい上に、北部王国軍が名目上共和国軍の武器供与を禁止したため、表立って行われることはなかった。

 東部方面軍第2騎兵旅団は共和国軍への側面支援の準備を完了し、あとは共和国軍の到着を待つだけになった。



 これら異例づくめの動きは、基本的には北部王国軍参謀本部が表からあるいは影から手を引いていた。共和国軍の作戦計画は参謀本部に筒抜けだったため、支援の仕方、妨害の仕方を考える必要すらなかった。



 北部王国軍参謀本部企画部の見立てでは、共和国軍が予定している参集地で編制完結するのは10日後と予想されていた。補給も似たような時期に完了するため、実際に行動を起こすかどうかは別として、10日後には共和国軍は作戦行動が可能となる見通しだった。



 「国王陛下への報告はすでに完了しています。共和国軍の非協力姿勢については折に触れ陛下へは報告していたので、特にこれといった指示事項はありませんでした。」

 「国王軍事顧問の反応も似たようなものでした。さすが歴戦の猛者だけあって、命令に従わない部下がどういう行動に出るかをよく熟知されていました。まして共和国軍という自国軍ではない組織に対して命令できる立場にはないというお考えのようで、共和国軍の動静について強い関心はお持ちですが、自分たちではどうすることもできないというところについて達観の境地に立っているようです。」

書き溜めが尽きそうなのでそろそろ更新止まります


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