南部王国軍の救出3「北部王国軍第2軍団第1騎兵旅団長」
最前線で魔王軍によって進撃を阻まれ、できることもなく後退だけはしないように部下を督戦すること数日。軍団司令部から南部王国首都陥落の報を受けたときは、ついにそのときが来てしまったというのが第一印象だった。
第2軍団司令部からは持てる全戦力をもって南進し、一人でも多くの避難民、南部王国軍兵士の救出を命じられた。
これまで避難民は着の身着のまま来ることが多く、南部王国軍の兵士が護衛しながら合流するというパターンが多かった。ただ、当初は秩序だって来ている集団ではあったが、徐々に魔王軍から命からがら脱出してきたり、部下が避難民と魔王軍の戦闘を目撃し、救出すべく出撃するという光景が増えていった。
そうした間欠的な出撃が増えるにつれ、部隊編成を維持できないという事象が随所で見られるようになった。損耗で部隊を維持できないということではなく、兵士があちこちに分散して展開してしまった結果、各部隊長が部下の掌握をできないという状態に陥ってしまった。
旅団司令部も、旅団各部隊がどこにいるのか把握できなくなり、司令部付大隊自体が戦闘に参加する場面も増えてしまった結果、もはや司令部としての体をなさなくなってしまった。
こうなってしまうと、旅団という戦闘単位そのものが怪しくなり、旅団としての戦闘能力を発揮できなくなってしまうが、今は避難民収容がすべてに最優先している状況なので、あまり困ることでもなかった。問題点としては、上級司令部たる第2軍団司令部との連絡に苦労するようになった程度だった。
首都陥落から最初の数日は難民も多数押し寄せ、南部王国軍の脱出将兵とともに難民の援護を続けていたが、それも数日だけだった。上級司令部から、頃合いを見計らって当初の防衛ラインへ後退するようにという命令を受けた。最前線でも避難民の収容が困難になっている認識はあったらしく、各将兵は命令に従い少しずつ後退を始めた。
収容した避難民の数も、南部王国将兵の数も記録していないため、達成率がどの程度なのかは全く分からないが、旅団としてできることは全てやったと信じたい。
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