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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
南部王国の陥落、南部王国軍の撤退そして
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day57(南部王国親衛連隊長)

 南部王国軍には通常編成の軍隊とは別に、女王陛下直率部隊として親衛連隊、近衛連隊、2個竜騎兵連隊がある。

 竜騎兵連隊は陛下の懐刀として、多方面に飛び回り情報収集や偵察、連絡要員を担う。

 近衛と、親衛は、女王陛下と宮殿をお守りするのが任務である。



 基本的に親衛が女王陛下とその近辺、近衛が宮殿や、陛下近辺以外の警護を担当している。

 近衛、親衛とも全員女性で編制されている。軍の編制表に載ってはいるが、参謀本部や軍司令部の指揮に入ることはなく、女王陛下の勅命にのみ従う栄光ある部隊であり、誇りを持って任務を遂行していた。

 そんな部隊なので、陛下から親衛、近衛は宮殿を放棄し北部王国軍と合流すべしという勅命を受けたときはさすがに従えなかった。部下を説得できないとかという話以前に、陛下と運命を共にするのが当然の我々にとって、陛下や宮殿を見捨てて北部王国軍の指揮下に入るなどありえない。



 参謀本部からは、北部王国軍の指揮下で人類軍の一部を形成し、南部王国再建が目的だと聞いてはいるが、そんなことは南部王国軍の他部隊がやればよい。親衛、近衛は国と運命を共にする以外の選択肢はあり得ない。



 と、息巻いて陛下の前を辞去したのだが、勅命に逆らうということへの抵抗、参謀本部の考え、部下を無駄死にさせるのかという考えが頭の中でまとまらず、一人考え込んでいたら、近衛連隊長に話しかけられた。



 我々は入隊時期が近く、近衛、親衛という枠を超えて交流を持っており、公私とも仲が良かった。

 近衛連隊長は、命令について深く考えたりはせず、陛下の勅命であり、陛下にも深いお考えがあるのだろうと察していると語り、命令に従い北部王国軍と合流すると話してくれた。結局、我々も駒の一つなのだろうかといろいろ心の内を話し合い、結局、私も陛下の勅命に従い北部王国軍へ合流することを決めた。



 そうすると決めた以上、後の整理をしなければならない。そもそも連絡線が形成されていないので、北部王国軍の支援があるとはいえ、独力で魔王軍の支配地域を突破しなければならないこと。宮殿の防衛を最終的には放棄することになるので、誰かに宮殿の防衛や陛下の身辺警護を託さなければならないこと。北部王国軍への合流後の話は、北部王国軍側が決定するらしく、そこの心配だけはしなくていいらしい。 

 忸怩たる思いは残っているが、こうすると決めた以上、まずは怒り狂うであろう部下の説得から始めなければならない。

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