day53(C岬防衛部隊長)
作者が存在を忘れていたという理由により時系列で数日前の戦記を差し込みます。
各岬防衛部隊は平均2000人程度で構成される部隊である。
これは岬という地形の特性上、大部隊を収容することができず、補給物資の備蓄もそれほどできないため、結果としてこれ以上の兵力増強ができないからである。
しかも、この上限ともいえる2000人いっぱいに収容されたことは魔王軍が接近するまで一度もなく、少ないときには1000人程度まで人員が減ったこともあった。何か理由や事情があるわけではなく、ただ単に気づいたらそこまで減っていただけのことである。
編制としては旅団よりだいぶ小さいが、本国から遠く離れた地で本国の指示を待たずに動く必要があるため、部隊長は旅団長以上軍団長未満の権限を与えられる。
そのため岬防衛部隊長は、旅団長経験者が軍団長に昇進するためのコースの一つとして経験するか、あるいは退役間際の旅団長経験者が最後の花道として用意してもらえるパターンが多い。
私は退役が近く旅団長の経験も長かったため、最後の花道には少し早いが、そういうつもりで着任してきた。
北部王国は南部王国と同盟関係にはなかったが、さりとて敵対していたわけでもなかったため、基本的にはやることもなく、へき地勤務でしかない。ただしそれも、魔王軍が接近するまでの話である。
魔王軍が共和国を蹂躙し、南部王国領も縦走、岬に一気に到達する気配を見せると、各岬防衛部隊の大増強が行われた。といっても元々の地形的制約から3000人程度への増強にとどまっており、これで支えきれなければ岬を放棄し撤退するしかない。
共和国に最も近いA岬に魔王軍到達の一報がもたらされたのはday34。B岬にはその数日後。C岬もそのさらに数日後には魔王軍がやってきた。参謀本部は撤退検討という連絡をよこしてきたが、最後に出された命令は防衛命令のままで、海路での補給も維持されており、前線部隊としては戦いを続けるしかなかった。
北部王国軍参謀本部から細かい命令は出されておらず、部隊長である私にかなり広範な裁量が任されていたため、部隊長として損害の最小化に努めるように命令を出した。
この岬自体はあくまで対南部王国の重要拠点であり、魔王軍に対しての反撃拠点になどなるはずもなく、魔王軍の圧倒的な物量の前にちくちく攻撃をしたところで大した意味もない。であれば貴重な兵士の損耗を最小限に抑えたいと思うのは当然の判断だった。
参謀本部から何らの指示もなく、私自身も目の前の戦闘に忙殺されており、本国がどうなっているのかすらわからない中で、南部王国がどうなっているのかなど想像だにできなかった。
ほかの戦線司令官がどう考えていたか知らないが、私にとっては希望も何もない戦闘だった。
後付けストーリーなのに本筋と絡まない部隊なので、割と書けてしまう。
それがへき地配備。リアルではどうなんてじょうね。
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