day56(北部王国軍の停止)
北側から南部王国首都を目指して南下していた北部王国軍南部方面軍の進撃が停止した。
南下するほどに魔王軍の抵抗が激化し、後方補給線への攻撃も厳しさを増しており、これ以上前進すると先鋒部隊が包囲孤立する危険があるためだった。
参謀本部や南部方面軍司令部内ではどこを攻勢限界点とするかで議論が繰り広げられていたが、それ以前に前線部隊が進撃不能という報告をあげての停止となった。
国王は多少の損害は許容すると発言していたが、この話自体は前線部隊指揮官には伝えられておらず、南部方面軍司令部は前線にはただ行けるところまで行けという指示しかしていなかった。そのため、これ以上の前進は危険と判断して進撃停止を決定した指揮官の判断は、特に忖度されたものでもなく通常の指揮官としての判断だった。結果として政治的要素を挟まない準軍事的な判断ができた格好となった。
また、南部王国軍の北進作戦も事実上失敗し、連絡線を接続することはできなくなった。あとは、南部王国側からやってくる避難民集団の収容とその援護が主任務となる。
南部方面軍司令部が組織されてから10日も経っていないが、攻勢限界に達した。
ただ、戦線を保持することには成功しているため、南部王国側からの避難民収容や状況把握などはスムーズに進んでいる。魔王軍に対して前進しようとすると激しい抵抗にあうが、前進をせず防衛線を構築するとなぜか向こうからの反撃が激しくないため、しばらくこの戦線を保持する方針。
-----南部方面軍司令部作戦部-----
前線からの前進停止決定に対して、増援部隊を出して前進を促すかどうかの検討を行ったが、そもそもその増援部隊自体がまだ本国から到着しておらず、出せる部隊がない。
いつ増援部隊がやってくるかという話も参謀本部からはなく、東部戦線との戦力調整もあまりうまくいっていないという話だけが来ていた。
逆の話として部隊を後退させるという話も検討課題にあがったが、前線からは前進さえしなければ戦線の維持は可能という報告を受けており、避難民収容の観点から、後退は政治的に困難と司令部では判断していた。
南部方面軍司令部としては後退して戦線整理を行いたいという希望はあったが、そもそも南部王国救出のために組織された部隊が後退するというわけのわからない判断はできないため、当分様子見という判断に至った。当分が具体的に何日なのかというのは、おそらく魔王軍と南部王国次第とみられていた。
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