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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
南部王国の陥落、南部王国軍の撤退そして
42/122

day46(参謀本部人事部次長手記)

 参謀本部会議で人事部は、南部戦線の人事が整理できていないと集中砲火を浴びた。

 東部戦線の人事調整、軍の動員計画、共和国軍の取り扱いなどやることがあまりにも多すぎて、南部戦線まで手が回っていなかったのは事実だが、やり玉に挙げられたのは腑に落ちない。



 地上戦総括作戦部長の次期南部方面軍司令官昇進条件付異動辞令は、day43に参謀次長との協議で承認され、人事部でday44に発令しており、今日の会議はその筋に沿って展開していたことを考えると、参謀本部内で意思疎通に問題が出始めていることを感じる。少なくとも人事部と作戦部は同じ考え方のもと実際に動いていた。



 部長は憔悴しきっていて、どう声をかけてよいかわからなかった。もっとも作戦部長や、企画部長の疲労度合いも似たようなもので、参謀本部の機能不全という最悪の事態が見え始めている。

 そのための南部方面軍新設になるのかもしれない。そうすれば、東部方面軍と合わせ前線に関する業務は両方面軍司令部に丸投げできる。本来であれば、企画部は首都退避計画の具体的調整、人事部は動員が止まってしまっている第5軍団の動員計画見直しをしなければならないのだが、こちらも全く手が回っていない。



 参謀総長が国王陛下から直接叱責を受けたという事実も、そのようなことが私のような本来聞く立場にない人間にまで情報として伝わっていること。さらに、これだけ多くの難題を抱える中で、南部王国軍との統合作戦の調整などとてもできない。南部方面軍司令部にすべて任せるしかないと思っている。北部王国軍の指揮命令系統が崩壊し始めている。



 それでも魔王軍との戦いは前線で続いているし、戦わなければ人類が滅びるという事実は変わらない。

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