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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
南部王国の陥落、南部王国軍の撤退そして
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day46(北部王国軍参謀本部議事)

要旨

 南部戦線の構築にあたり、南部王国軍の調整が順調に進んでいないことにすでにストレスを溜めていた北部王国軍最高司令官(国王)が、北部王国軍参謀本部内の調整すらできていないことに激怒し、参謀総長が直接叱責を受けるという事態が発生し、急遽参謀本部内で方針を決定することとした。



各部の考え方


 作戦部は南部戦線を構築するという時点で、南部戦線全体を統括する単一司令部、司令官が必要という意見で一貫している。

 第1軍団、第2軍団を南部戦線に充当し南部方面軍の新設。さらに今後編制完結していく軍団も随時南部戦線に投入する上、南部王国軍残存部隊も南部戦線に組み込んでいく以上、単一司令部の存在は作戦指導上の絶対条件と考えていた。司令官人事も、地上戦総括作戦部長が南部方面軍司令官にそのまま昇進することを当然のように考えていたし、それを前提に作戦計画を立案していた。



 人事部は東部戦線や動員計画の管理でパンク寸前であり、南部戦線自体の人事まで手が回っていないかった。第1軍団と第2軍団の軋轢や、南部戦線の指揮命令系統をめぐるごたごたの原因は、本質的には人事部がそこまで調整をできていないところにあり、北部王国軍参謀本部人事部として、もっと積極的に介入していくべきだった。



 企画部も、東部戦線の調整や、最近は補給部との調整で忙殺されており、南部戦線にまで手が回っていない。もっとも防衛作戦というか遅滞戦術を長いこと展開していたため、出番がなかったというところもある。本来7日間以上長期にわたる作戦の調整は企画部の管轄であり、南部戦線の指揮命令系統調整もまさに企画部がすべきところであったが、できていなかった。



 これ以上話をこじらせると、人事部と企画部(すなわち人事部長(G1)と企画部長(G5))の責任問題に発展しそうな雰囲気もあったが、戦時下で人がいないということがわかりきっている参謀総長としては、誰かを更迭したりするつもりはなかった。が、国王を激怒させた手前、何もしないという選択肢もなかったため、南部方面軍司令部の創設、地上戦総括作戦部長を昇進させ司令官職に就かせることをこの場で決定し各部に調整を命じた。正式な発令は数日以内とされた。ちなみに、地上戦総括作戦部長ポストをどうするかは、新南部方面軍司令官に一任し、ポストの廃止をしてもかまわないと伝達することとなった。



 南部王国軍との連合作戦についても議事に上り、まだ外交レベルでの調整もできておらず、そこを飛ばして軍の実務レベルで調整を進めていいのかという意見が参謀本部にも少数意見としてあったが、大勢は目前にいる魔王軍への対処上、南部王国軍と北部王国軍の共闘は絶対であり、あとはやり方をどう進めるかという意見しか参謀本部にはなかった。

 具体的な調整についても、まず現状把握が参謀本部でできていない以上、新設する南部方面軍司令部と司令官に丸投げするしかないという方針で固まった。

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