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勇者がいない人類の魔王軍との戦いの記録(北部王国軍参謀本部戦記)  作者: ゆーや
南部王国の陥落、南部王国軍の撤退そして
40/122

共和国軍にとっての南部戦線

 day40で北部王国軍と南部王国軍が協議をしていたころの話。

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 魔王軍に蹂躙され消滅した共和国の生存兵で組織されている共和国軍は、師団を最大単位として北部王国軍の指揮下に入って戦っているか再編途上にある。その関係上、共和国軍には軍団長以上のクラスの将官がいない。全員戦死もしくは行方不明というのが正しい書き方ではあるが、とにかくいない。



 当然、軍団クラスの司令部組織や参謀もいないため、各師団長が自身の持っている数少ない情報参謀を使って情報収集に奔走していた。本来任務はもちろん自分たちが担当している東部戦線の情報収集であり、魔王軍の敵勢分析なのであるが、南部王国や南部戦線の情勢についても全く何も知らないというわけではなかった。



 北部王国軍参謀本部は、共和国師団に南部戦線の情勢や、南部王国の現状について一切教えていない。

 正確には情報部のミスであり、伝えることを完全に失念していたというところであり、これは北部王国軍東部戦線の各旅団長クラスにも情報が伝わっていないところからも事実ではある。

 そんな背景はあったものの、共和国軍の将官クラスがこの置いてけぼりな状況を面白く思うはずもなく、自分たちでの情報収集に力を入れていた。ただ、北部王国軍参謀本部を突くつもりもないあたり、自分たちがどうしたいのかわかっていないところも少なからずあったのだろう。



 では当の共和国軍各師団長はどうしたいと当時考えていたかというと、南部戦線に巻き込まれたくないと考えていた。自分たちの任務は共和国の再興であり、そのためには共和国の領土を取り返さなければならない。南部王国になど構っていられないのである。東部戦線と南部戦線という二重作戦を強いられつつある北部王国軍首脳陣が知っていたら噴飯ものの発想だが、理解はできる。



 この頃には東部戦線はいい意味で落ち着いており、共和国軍師団長クラスは、魔王軍との戦争が始まってから初めてゆっくり物事を考える余裕ができていた。東部戦線を担当していた共和国軍にとってはいわば余計なことである南部戦線について思いを巡らすことができるようになっていた。自分たちの立ち位置や、今後どのように動くべきかを考えるようになっていた。結論が出るでもないこの思考はこの後ずっと、共和国軍指導部の頭に残り続けることになる。

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