day20
Day20
北部王国軍参謀本部
1.状況
DE街が陥落。共和国との連絡線が全て遮断され、共和国内での情報収集が不可能に。
2.敵勢力
DE街を占領されたことは確認したが、そこから来るはずの敵の勢いが落ちている。原因は不明(のちに南部王国領へ全面攻勢を仕掛けていたためと判明)。一部勢力が第1防衛ラインに向けて進撃を続けているが、到達まで若干の余裕がある。
現状、第1防衛ラインに向けて進撃している魔王軍部隊はそれほど多くなく、この程度の数であれば第1防衛ラインである程度防ぐことが可能と東部方面軍司令部では分析。もちろん増援がやってくるはずなので、最終的には突破されるだろうが、時間的猶予を長めに確保できるのであればそれに越したことはない。
3.味方
DE街防衛戦をしていた共和国残余4個師団は損耗が非常に激しいことから2個師団に再編し、構築中の第3防衛ラインまで後退させ休養させる。
共和国避難民の一部が義勇兵として共和国軍に参加したいと志願しているが、武器の用意、指揮命令系統の統制、その他補給の確保など課題が多いため、まだ正式に回答していない。最終的には共和国残存部隊と一緒にするか別にするかは検討を要するが、戦列に加えざるを得ないものと判断。
名称を東部方面軍とした東部戦線部隊は、第1防衛ラインに展開。いつでも戦闘可能。主力部隊は街道筋に展開。
編制中の第4軍団の戦力化にはまだしばらく時間がかかる見通し。武器の用意、基礎的な訓練、戦列形成等基本的な軍事教練がすべて必要なほど練度が低いが、時間的猶予はそこまで多くない。
教会自警団の取り扱いはまだ結論が出ていないが、教会自警団側から特に接触も受けていないので、使用可能戦力として算定していない。
4.分析
東部戦線司令部からの報告によると、DE街の陥落に10日を要しているが、実態を見ると城壁崩壊後の侵攻がかなり早い。半包囲の懸念から最終的に街の放棄を決断しており、城壁による防衛やそもそも防衛ラインを設定した防衛が有効なのかどうかに疑問がある。
5.見解
現在までの魔王軍に関する情勢分析を総合判断すると、第1防衛ラインから第3防衛ラインまでで防ぎきることは不可能。防衛ライン構築そのものは有効かもしれないが、全力を注ぐほどの戦術的価値は見出しにくい。どこまで大規模に防衛ラインを構築するか検討が必要だが、その検討する時間があるかどうかもわからない。
第3防衛ライン後方に北部王国第2の都市であるB市があるが、現在の情況で確実に防衛できるとは言えない。防衛計画の検討は実施するが、防衛戦闘にも支障するため住民の避難が必要。
住民の避難先は首都とせざるをえないが、首都の収容能力を大幅に超えることから、何らかの対策が必要。