day12(DE街攻防戦3日目)
Day12
北部王国軍参謀本部
1.全般状況
DE街で防衛戦が展開されているが劣勢。東部戦線司令部はDE街から撤退完了。
2.味方状況
共和国軍残余部隊と魔王軍が交戦。
東部戦線各部隊は第1防衛ラインへの部隊展開を完了しており、いつでも防衛戦闘可能。ただし、長期的な防衛は不可能との連絡を受けている。
第2防衛ラインの構築について検討と準備を開始。
3.敵動静
DE街西部を完全に包囲する一方、北門、南門には魔王軍の姿なしという人間の戦法からすると不思議な状況との報告が入っている。とはいえ、全般的には敵が圧倒的に優勢なため、街の陥落は時間の問題との認識に変化なし。
DE街西側にある北部王国との街道はいまだ健在だが、この街道が共和国と北部王国の最後の連絡線のため、万が一寸断されると共和国国内の情勢把握はほとんど不可能になる。
4.分析
DE街の陥落をもって人類側は共和国領を失陥したと判断する。同時に北部王国が前線を受け持ち、東部戦線が主戦場となる。
5.行動計画
第1防衛ラインはすでに完成しているが、長期戦に耐えられない見通しなので、第2防衛ラインを速やかに構築する。
あわせて第2防衛ラインとなることが予想される地区より共和国側に住む全住民の避難を速やかに開始する。想定される猶予は今日から起算して概ね2週間以内。
手記(DE街攻防戦3日目)
記録:東部戦線司令部情報参謀
DE街東側の城壁が一部崩れ、魔王軍の軍勢が市街地に侵入。各所で戦闘が始まった。
魔王軍配下の魔物は一体一体が力押しを得意としており、共和国軍の集団戦術との相性が最悪に悪かった。共和国兵士は武器を一撃で薙ぎ払われてしまうと、無防備となってしまいあとはもうどうすることもできない。
そんな戦闘が随所で展開されていた。城壁からの投石戦術は有効だったが、弓矢程度ではほとんど効果を発揮できていなかった。
それでも、共和国残余部隊は今までの戦闘経験を活かし、巧みに建物などの障害物を活用して戦っていた。城壁に穴が開いたとはいえ、それほど大きいものでもなく侵入してくる魔物の数もそれほど多くないので、全般的にはまだ防衛できているという状況に見えた。
自警団や教会自警団は、もはやなんでここに残っているのかわからないというひどさであった。
特に教会自警団は戦闘経験がほとんどなく、装備も魔王軍との戦いに適しておらず、戦闘能力は無きに等しかった。 今後、教会自警団は、住民の避難に専念し、戦闘行動には関与させないのが適切と考える。
街の南北の門はいまだに魔物の姿が確認されず、戦闘が発生していなかった。市民の脱出はピークを超えつつあり、一両日中には避難は完了する見通しだった。