day9(東部戦線司令部発行)
Day9
北部王国軍東部戦線司令部
1.全般状況
魔王軍がDE街目前に迫っていることをDE街城壁上から容易に確認できる。
明日には城壁に到達すると予測される。
2.敵性分析
地平線の見渡す限りを魔王軍で埋め尽くされており、分析するまでもない。ただ、空から攻撃を受けないのは不幸中の幸いか。共和国参謀からの情報では、ここまでの戦いも似たような状況であったとのこと。
3.味方
共和国軍残余部隊、DE街自警団、DE街教会自警団、その他義勇兵で構成されているが、物量差があまりにも大きい。士気は高く、装備も充実している。
共和国軍残余部隊は再編成され城門の数と同じ4個師団体制となっている。ただ、実態の兵員数はもっと少なく、3個師団がせいぜいというところ。
なお、北部王国、共和国間には共同作戦の経験がないことから、共和国軍への指揮命令は共和国生き残り将校が自ら発出している。
4.分析
何日持ちこたえるかの分析はしない。
市民の避難は一部で始まっているほか、共和国軍はじめ傷病兵の北部王国領への輸送も始めた。兵站はすでに北部王国軍が支えている状況にある。連絡線として使用している街道は2本ある。いずれもDE街への補給物資と、逆に街から脱出しようとする人々で大渋滞を起こしている。
5.見解
東部戦線司令部としては速やかにDE街を放棄し、戦力の温存を図りたかったが、共和国軍指揮官とまだそこまで具体的な作戦の打ち合わせができていない。また、避難民が避難しきるまでの時間稼ぎが必要なのも事実。これはできるできないではなく、やらなければならないことである。
東部戦線司令部は北部王国東部戦線の防衛義務があるし、DE街での防衛戦は困難なので、戦闘の趨勢を見極めながら東部戦線司令部を後退させる。
6.北部王国軍参謀本部への問い合わせ
a.DE街放棄を東部戦線司令部として実施して構わないか。
b.共和国軍含め残余全軍を同時に引き上げて構わないか。
c.DE街の避難民を含めた共和国からの避難民はすでに北部王国領になだれ込んでおり、国境で特に止めていないがこの措置で構わないか。