のっけからオタ趣味で振られました!
「えー、なにそれっ。ラジオって、おじいちゃんじゃん!」
「でしょ!? ほんと、篠塚ってキモイよね~」
「ねえ、ラジオってマジありえなーい!!」
「音楽とかアニメとかなら、まあ、許す? アイドルオタはギリギリアウト~ それなのに、ラジオオタってなに? 意味わかんないよ!」
……ただ今、教室の中の女子二人にディスられているのは僕です。
篠塚浩太、十七歳。
見た目平凡な僕は、北海道最北端の神岡高校に通っています。
全校生徒十八名という、小さな、小さな高校は、男女比に悲しいほど偏りがあって、高校二年の男子は、僕と隣に立つ悪友二名。
対する、女子の数は七名。
日々数で勝る女子たちに圧倒されてるけど、これは泣きたい!
……真由子ちゃん、ラジオの話したとき、乗ってくれたじゃん! 個性的な趣味だねって笑ってくれたのに。
ちょっと、いや、すごい可愛いなぁと思ってたけど。ぶっちゃけ、いつか告ろうとか思ってましたけど。
はっはぁ、神様ありがとうございます。振られなくてすみました~
……失恋しましたけどねっ。くそっ、マジ泣きてー!
「……コタ、俺、荷物もってくるな」
教室の外で固まる僕の肩を、親友の隆志が優しく叩く。
普段空気を読まない友人の気遣い、プライスレス!