表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/29

vol.005_対象

なぜだ?


指に負った軽い焼けどなんて、ヒール一発で治るはずなのに・・・


大した焼けどでもないが、ショックのせいか患部がヒリヒリと痛む。仕方ない・・・水で冷やして応急処理だ。


それにしても解せない。エスティナは、障害が発生したシステムに対して放つことができたのに、なぜヒールが効かないんだ?


まだ魔法を使うためのMPが体に残っているのは、自分でもよく分かる。なのにどうして?


まったく・・・さっきから分からないことだらけだ。芸満ゲイマンという人間として生き返ったり、モンスターがいない世界だったり・・・


オレは考えるのを一旦あきらめて飯を食らう。


「ふぅ・・・うまかった・・・・」


さて、腹が満たされたら気分も落ち着いた。改めて見ると、なんとも殺風景な部屋だな。


本棚には「詳細Linux読本」、「DHCPの基礎」、「運用技術者が知っておくべき鉄則集」・・・などなど、おそらくシステム関連の本なのか。どうやら芸満ゲイマンという人間は、それなりに勉強熱心だったように見える。


中身を読んでみるが、さっぱり分からない。なるほど、システムを正しく理解するためには、それなりに高度な知識が必要ということだな。


オレも賢者になるための筆記試験で苦労したもんなぁ。


あとは会社にも置かれていた箱のようなもの・・・たしかパソコンって呼ばれてたな。


ん、パソコンの横にメモが書かれているな。どれどれ・・・


『6月10日、パソコン故障。お茶をこぼしてしまったせいかと思われる。起動ボタンを押してもOS起動中にハングするので要修理』


芸満ゲイマンの字だろうか・・・なかなかの達筆である。


しかし、要修理ということなら、こちらの世界ではどう直すつもりなのだろうか?


「ヒール!」


オレは冗談のつもりで、パソコンに向かったヒールを放ってみた。


さっきはオレの指に唱えても全く効果がなかったので、もしかするとこちらの世界ではヒールが使えないのだろう。


『ウォン・・・カタカタカタ・・・』


「えっ!?」


パソコンが音を立てて動きだした。まさか、オレのヒールが効いたとでもいうのか?お茶をこぼしたことでパソコンが受けたダメージを回復したものと思われる。


「ヒール!」


今後はオレの焼けどした指に再度ヒールをかけてみたが、効果なし。


パソコンには効いて、オレの指には効かない・・・


理由は分からないが、どうやらオレの魔法はこっちの世界でも確実に使えるということだ。


だた、効力を発揮する対象がオレではなく、さきほどのシステムやこのパソコンだったということ。


ためしに、あの本棚に向かって攻撃魔法を唱えるとどうなる?


「プチウインドっ!!!」


本来であれば、本棚の本が散乱する程度の微風が発生するはずだが、何も起こらない・・・


ならば、あのパソコンに向かって放つとどうなる?


「プチウインドっ!!!」


パソコンの画面上に表示された「ログイン」と書かれた画面がガタガタと揺れ、アイコンのようなものがたくさん表示された画面に切り替わった・・・


パソコンからは、『うぃぃぃん』という音が鳴り響いている。苦しそうな音だな。


『あなたのパソコンはウイルスに攻撃されています』


なんだ、この変なメッセージは・・・このパソコンは見えないウイルスという敵と戦っているということか?だとすれば、これも何かの縁。手助けしよう。


「ウインドカッター!!」


魔法を唱えた直後、パソコン上のメッセージは消え、苦しそうな音が消えた。


・・・・


・・・・


よく分からんが、一つだけ分かったことがある。


オレの魔法は目の前にある物や人には使えず、システムやパソコンに対して効くということだ。


vol6.へ続く

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

ブクマと★の評価をしていただけると今後の励みとなります!


ぜひぜひ、次作もご期待ください!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ