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悪役令嬢は傍観に徹したい!  作者: 白霧 雪。
悪役令嬢になりたくてなったわけじゃない。
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02


 同寮のクラスメイト、白雪の貴公子と呼ばれる彼。


 夜を意味する漆黒の制服よりも、真昼を意味する純白の制服が似合う、穏やかな性格のユリアはヴィオラが困っているとよく助けてくれた。


 さらさらと流れる真っ白い髪に、深海の蒼さをイメージさせる瞳はじいっと見つめるとキラキラと雪が降っているのが見える。


 浮世離れした容姿は父親が人間で、母親が雪の精霊という異種族婚姻の末に産まれたのがユリアだが、この情報は開示されていない。それを、どうしてヴィオラが知っているのかと言えば、一重に前世の記憶である。


 頭がおかしいわけでも、夢見がちな女の子でもない。むしろ、前世ではバリバリに働くキャリアウーマンだった。

 企画したプレゼンが通り、さぁこれからやるぞ! と言う時に交通事故に合ってしまったのだ。いわゆる、トラ転。


 仕事が恋人、みたいな前世の唯一の趣味が恋愛シュミレーションゲームの攻略だった。

 ちょうどプレイ中だった乙女ゲーム『真昼の魔女は夜に恋う』というタイトルなのだが……。

 なんとヒロインがヴィオラの妹、アリス・ナイトレイで、ユリアを含めたイケメン魔法使い見習いたちとイチャイチャラブラブたまにシリアスなシナリオだった。


 ヴィオラの立ち位置は、アリスの才能に嫉妬した意地悪なお姉様。いわゆる悪役令嬢。――頭が痛かった。

 確かに、ゲーム攻略は好きだった! キャラクターも魅力的だった! だけど転生(しかも成り代わり)とか求めてない!!


「ヴィオラ? 大丈夫か?」

「っ! えぇ、少し疲れただけよ」


 ぼぅっとしていた目と鼻の先に、眉根を下げたイケメンの顔があれば誰もが驚く。

 心配げに見つめてくるユリアに苦笑して、「教室に行こう」と促した。


 ――ヴィオレティーナ・ユカリ・ナイトレイの末路は、良くて勘当、最悪で斬首刑だ。

 転成は求めていなかったが、せっかく生まれ変わったのだからこの人生を楽しまないと。少なくとも、早死には嫌だ。


 長生きするには、トラブルメーカーの妹と関わらないようにすること。

 今年から高等部に進学をしてきた妹(愛されヒロイン)を思うと、先が長かった。


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