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Unhappy Halloween

作者: 神水たゆら

ざわざわと町がにぎわう。年に1度のハロウィンは賑わっていた。

南瓜のランタンとカゴをぶら下げた、小さな魔女や悪魔が家の戸を叩いていた。

すでに、そのカゴにはたくさんの御菓子であふれていた。



「とりっくおあとりーと!お菓子をくれないと、いたずらしちゃうぞ?」



家から出てきた老婆は目を細めて、あらあらと家の中から御菓子を持ってくる。

手には色とりどりの包装がされた菓子がある。

そして、カゴの中に御菓子を入れる。


「わーい!チョコレートだぁ!」

「このミートパイはおばあさんの手作り?」

「そーだよ。おいしいからね?」

「ありがとー!!!うれしー!!!」


一通り町を回った子供たちは町のはずれへと来ていた。


「もー帰ろー。」

「おこられるよー。」

「最後に回ってないよー」


子供たちの前には「棺桶屋」と掲げられた小屋があった。

そこはあまりにも不気味すぎて

大人たちは子供に近づくなといっていた。

しかし、子供の興味にはそんな言葉は効かない。

窓からのぞくと、薄暗く人の気配はしない。

ドアをバーン!!!とあける


「「「とりっくおあとりーと!!!お菓子をおくれー!!!」」」

「おやおや。。。悪い子たちだねー」

「棺桶屋さんはお菓子もってるのー?」

「あるよ、君らを待っていたからね。」

「わーい!!!!」

「これは。。。なに?」


お菓子の用意をしている棺桶屋を横目に

魔女の格好をした女の子はビーカーを見つめてきいた。

ビーカーの中には肉片がプカプカと浮いていた。


「それは頭皮だよ?」

「とーひ?おいしいの?」

「そうかもね。昨日天に召されたばかりだから。」

「いーなぁ。これ、ほしい。」

「ソレは無理だよ。君らには、これね?」


棺桶屋は丸いチョコのボールを3つほど子供らに渡した。

棺桶屋は子供が見えなくなるまで手を振り続けていた。

その姿に子供たちも手を振り替えしていた。


「おかーさんやおとーさんは近づくな!っていったけど。いいひとだったね?」

「うん。チョコもらえたし!!」

「もっとお話したかったなぁ。。。」


家に帰った子供らはひどく怒られた。

棺桶屋は裏でどんな仕事をしているかわからない。

このチョコレートだって眼球かもしれない。

昨日、解体殺人事件が起きたばかりなのに。

その眼球に良く似たチョコレートは子供たちの口に入ることはけしてなかった。

そして、包装が開けられることもない。



あくる日。

子供たちは秘密基地に集まり、昨日の御菓子を食べていた。

目の前にはクッキー、チョコ、飴玉などがある。

話を聞くとほかの子供の親もチョコレートを捨てたらしい。



「ひどいよねー」

「せっかくもらったのに。。」

「でもさ。おいしいねこれ!」

「ミートパイ。おいしいね!」

「なんの肉だろーね?」

「めずらしい。お肉!!!」

「また会いにいってもらいに行こう!」

「棺桶屋さんにもあげよー!!」




数日後、その老婆は殺人容疑で逮捕された。


end 20081031


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